事業所得と雑所得の判断について
本業がサラリーマンで、本業年収は450万円程度です。
今年から副業としてYouTubeとアフィリエイトブログを始めましたが、併せて月々40万円程副業収入が出ています。
年間で見ると本業と同程度か、それを上回る収入になるのですが、開業届を提出したとしても副業なので事業所得として認めてもらうのは難しいでしょうか。
最終的には税務署判断なので、所轄の税務署に問い合わせた方が良いでしょうか。
宜しくお願い致します。
税理士の回答

中島吉央
所轄の税務署に問い合わせをされたほうがよろしいかと思われます。
ただし、あくまでも一般論という前提で終わると思いますので
将来、税務調査が入って否認される可能性はなくはないかと思われます。

ある収入からの所得が事業所得なのか雑所得なのかは、過去、税務調査で税務署側と見解の相違が何度か起きているところであり、中には裁判での決着に至った案件もあります。
なぜ、一つの所得が事業か雑かで大きく取り上げられるかと言えば、その所得を事業所得にするか雑所得にするかで、税金が大きく違ってくることがあるからです。
雑所得ではなく事業所得とした場合、税金に大きな影響を及ぼす要因として主なモノを挙げると
① 青色申告ができる(いくつかの特典があります)
・ 青色申告特別控除 10万円〜65万円
・ 赤字となった場合翌年以降へ損失額を繰越控除
② 親族が事業に従事していた場合、専従者控除や専従者給与が取れる
③ 赤字となった場合、他の黒字の所得(例えば給与)と損益通算(つまり精算できる)
サラリーマンの方にとっては、「事業」になると①や②を使ったりして節税することができ、③赤字となった場合、給与所得と合算して、税金が還付になることもあるからです。
税務署は調査のときしか事実に基づく判断をしません(できないから)。そして判断にあたって税務署側が考えるのは、開業届出書が出ているか否かは全く関係なく、「事業」として「営利性・有償性・反復継続」で『自己の責任と計算』において経営をしているかどうか、です。
その判断指標として、売上高とか店舗などの規模基準もありますが、そのほかにも挙げれば5つぐらいの判定要素(ネットでも確認できます)があるようです。署側は、その複数の判定要素をこまめに聴取し自らの目で確認したうえで、判断します。
サラリーマンの方にとって、その複数の判定要素の中で最も不利な点は、
「どれだけその仕事に関わっているか」について、物理的に従事する時間が少ない、ということです。
しかし、これを補うだけの何かがあれば、当然「事業」もあり得ると言えます。5つぐらいの判定要素で強く言えるものが、多くあれば迷いもクリアできると思います。
本投稿は、2021年08月11日 15時18分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。