白色申告 一括償却資産の家事按分について
フリーランスで白色申告をしています。恥ずかしながら今まで家事按分を誤解していて、事業とプライベート兼用のパソコンを一括償却資産(事業専用割合100%)として2年間申告してしまいました。修正申告をしたいのですが、いくつか不明点があり困っています。お知恵をお貸しいただければ幸いです。
・2022年に15万円のパソコンを購入しました。仕事がある月は50%ほど事業で使いますが、仕事が全くない月はプライベートでのみ使っています。
2022年:毎月稼働し、事業で50%使用
2023年:11ヵ月間稼働しその間事業で50%使用
2024年: 7ヵ月間稼働しその間事業で50%使用
一括償却資産だと3年間同額で償却すると思うのですが、上記のように変動がある場合、事業専用割合をどのように設定すればよいのでしょうか。
それとも、この程度の使用量だと白色申告なので経費(一括償却資産)として認められませんか。
<一括償却資産として認められる場合>
・修正の際は、これまでに提出した確定申告書類の減価償却欄の事業専用割合を変えて再度計算して提出し、追加の税金を納めればいいのでしょうか。
・2025年3月の確定申告で、3年目の一括償却資産計上になります。家事按分後経費計上する予定です。4年目は、この資産に関して確定申告でやるべきことはありますか。
長々と申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
税理士の回答

石割由紀人
家事按分を正確に反映するために修正申告を行う場合、以下のような対応が必要です。具体的な計算方法や手順を確認しましょう。
一括償却資産の家事按分について
一括償却資産は3年間均等に償却するルールがありますが、事業専用割合を考慮した計算が必要です。ご質問のパソコンの場合、各年の事業専用割合を以下のように設定します。
1. 事業専用割合の設定方法
事業で使用した月数とその月の事業使用割合をもとに、1年間の平均事業専用割合を計算します。
具体例として、2022年について計算すると
- 2022年は12ヵ月間稼働し、全期間で事業使用割合が50%
→ 事業専用割合 = 50%
2023年について
- 稼働月数 = 11ヵ月、事業使用割合 = 50%
→ 事業専用割合 = 50%
2024年について
- 稼働月数 = 7ヵ月、事業使用割合 = 50%
→ 年間事業専用割合 = (7ヵ月 × 50%) ÷ 12ヵ月 = 29.17%
2. 経費計上額の修正
一括償却資産として計上する場合、3年間均等に償却し、各年の事業専用割合を反映します。
例:15万円のパソコン
- 一括償却額 = 15万円 ÷ 3年 = 5万円(1年あたり)
- 各年の経費計上額 = 5万円 × 事業専用割合
2022年:5万円 × 50% = 2.5万円
2023年:5万円 × 50% = 2.5万円
2024年:5万円 × 29.17% = 約1.46万円
修正申告の手続き
1. 修正申告の対象年度
2022年と2023年の確定申告を修正する必要があります。
2. 修正内容
- 減価償却費の事業専用割合を変更
- 経費計上額の見直し
- 修正申告書(過去の申告内容の訂正)を作成して税務署に提出
3. 追加税額の納付
経費の計上額が減少するため、所得が増加し、追加の税金が発生します。この金額を納付します。
2025年の対応とその後
- 2025年3月の確定申告(3年目の計上)
2024年の使用状況に基づき、3年目の償却費(1.46万円)を事業経費として計上します。
- 4年目以降(2025年以降)
一括償却資産の償却期間は3年で終了するため、4年目以降は減価償却費を計上する必要はありません。ただし、資産を売却や廃棄する場合はその時点での処理が必要です。
白色申告で認められるか
使用割合が変動していても、事業で明確に使用している月がある場合は一括償却資産として認められます。ただし、事業専用割合が非常に低い場合は、税務署から指摘される可能性もあるため、詳細な記録(事業使用状況のメモや稼働日数のログ)を保管しておくと安心です。
本投稿は、2024年11月12日 12時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。