治験報酬で扶養を抜けてしまう等のケースについて
20歳大学4年生です。家族構成は現在は両親と私の3人で、私は父の扶養に入っています(青色の保険証)。
なお、私は2024年4月に就職し扶養も抜ける予定です。
昨年度までは飲食業アルバイトにのみ従事しており、103万以内の給与所得のみ発生していました。
今年度の状況が少し複雑なので、以下にまとめます。
・2023年3月に飲食業アルバイトを退職。1〜3月分の給与所得は20万円強
・1〜12月まで通院型治験に参加。2023年度の報酬(負担軽減費)総額は約34万円
・1〜12月まで、ほぼ毎週地域の有償ボランティアに参加。報酬総額は約13万円
・8〜12月まで数回のみいくつかのチャットレディに従事。報酬総額は約5万円
以前、治験担当者(CRC)及び地域の有償ボランティア担当者に報酬への課税について確認を取ったところ、双方から「(治験に関しては依頼元には匿名でデータを提供しているため)非課税という認識で大丈夫」との回答を頂いたため、給与所得とは別にチャットレディ報酬を20万円以内に収めればよいと認識していましたが、先日自分で調べ直したところ治験報酬及びボランティア報酬も課税対象になる。人によるが、約20万以上になると課税対象となる。と知りました。
これが本当であれば、給与所得分を除いても約52万円の報酬(雑所得?)が発生している事になるので課税対象となるかと思います。
・仮に課税対象に該当する場合、父の会社での年末調整の際等または2024年4月に扶養を抜ける際に父に私が扶養対象外だった事が判明するのか。
・仮に判明した場合、父に私の勤務先は発覚するのか。
・仮に2024年1〜3月の間にも治験、有償ボランティア及びチャットレディを続けて報酬が発生した場合、扶養を抜ける際等に父に勤務先は伝わってしまうのか。
・仮に上記3点の状況が私が就職するまでに家族に伝わらなかった場合、後から未納分の税金を私自身で納めることによって本件が伝わることは回避出来るのか。また、その場合の納税すべき額はいくら程になるのか。
両親共に治験及びチャットレディのような仕事に理解を得ることが難しいため、それだけは発覚しないようにしたいです。
私の無知が招いた事態であることは重々承知しております。
長文となってしまいましたが、どうかご教示頂けますと幸いです。
税理士の回答

奥村瑞樹
以下、治験報酬が課税対象であった場合として回答いたします。
・仮に課税対象に該当する場合、父の会社での年末調整の際等または2024年4月に扶養を抜ける際に父に私が扶養対象外だった事が判明するのか。
前提としまして、扶養を抜ける時期が異なるかと思います。
2023年の合計所得金額が48万を超えているため、2023年で扶養を抜ける必要があります(下記国税庁HPをご参照ください)。
「抜ける」というのは、ご相談者様から父に「伝える」ことで抜けます。
そのため、事後的に控除対象外だったことは伝わりません。
・仮に判明した場合、父に私の勤務先は発覚するのか。
発覚することはありません。
・仮に2024年1〜3月の間にも治験、有償ボランティア及びチャットレディを続けて報酬が発生した場合、扶養を抜ける際等に父に勤務先は伝わってしまうのか。
伝わりません。
・仮に上記3点の状況が私が就職するまでに家族に伝わらなかった場合、後から未納分の税金を私自身で納めることによって本件が伝わることは回避出来るのか。また、その場合の納税すべき額はいくら程になるのか。
こちらも少し質問とはズレた回答になってしまいますが、まず、ご相談者様は給与以外の所得が20万円を超えているため、確定申告が必要となります。
そして、恐らくお父様の2023年12月に実施した年末調整で扶養に入っているかと思いますが、こちらが外れることを伝え、年末調整のやり直しまたは確定申告をする必要があります。
何故扶養から外れるのか理由を聞かれることになると思いますので、所得を得た本当の仕事ではなく、お父様が納得できそうな仕事(予め考えておいてください)で稼いだと伝えるのが良いかと思います。
(参考:国税庁HP)
年末調整の後に扶養親族等の人数が異動したとき
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2671.htm
所得税法では、その年の12月31日の現況で控除対象扶養親族などの判定を行うことになっております。
扶養控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm
(3)年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。
ご回答頂きありがとうございます。最初に記載するのを失念していたのですが、治験のため通っている病院が遠方のため1度の通院に交通費が往復で3000円強かかっており、1年間の総額では100000円強かかっています。なお交通費は負担軽減費から捻出しており、公共交通機関のため領収書は受け取っていませんが、交通費を経費として差し引くと年間所得は48万円以下になりますか?

奥村瑞樹
交通費を経費として差し引くと年間所得は48万円以下になりますか?
治験のための交通費は経費として計上することが可能です。
領収書の代わりとしまして、利用した日、使用した公共交通機関、金額などをメモとして残しておいてください。
仮に治験の経費が10万円の場合ですと、治験の所得は24万円(34万円-10万円)になります。
給与所得はゼロ(20万円-給与所得控除55万円)ですので、合計所得金額は42万円(24万円+13万円+5万円)となります。
したがいまして、2024年4月の就職時まで扶養から外れることはなく、治験などの仕事に関してもご家族に伝わることはありません。
なお、給与以外の所得が20万を超えているため確定申告が必要になりますが、ご家族に内緒でこっそり行うことをお勧めします(今はスマホでもできます)。
確定申告していることを悟られると、アルバイト以外に何で稼いでるのかと聞かれる可能性があります。
また、就職先からの給与で、6月から住民税が引かれているかもしれません(正確な所得がわかりませんが、住民税均等割が課税される可能性があります)ので、6月以降の給与明細はご家族に見せないほうが良いです。
仮に見せてしまい、住民税が課税されていることを知られると、去年そんなに稼いだの?と怪しまれてしまいますので。
返信が遅くなってしまい申し訳ございません。細かくご教示頂きありがとうございます。
教えて頂いた通りスマホから確定申告をしようと考えているのですが、万一治験や地域のボランティアの報酬が発生している事についてついて税務署の方に把握されていなかったとしても、確定申告はこちらで勝手に行っても問題ないのでしょうか?
確定申告のやり方については自分で調べながら行うつもりですが、源泉徴収票等も頂いていないので独断で計上してしまっていいのか悩んでいます。

奥村瑞樹
万一治験や地域のボランティアの報酬が発生している事についてついて税務署の方に把握されていなかったとしても、確定申告はこちらで勝手に行っても問題ないのでしょうか?
確定「申告」の文字どおり、自分は一年間でこれだけ収入を得ましたという「申告」になりますので、税務署が把握していない分も含めてすべて申告することになります。
源泉徴収票等も頂いていないので独断で計上してしまっていいのか悩んでいます。
給与収入のみの方であれば年末調整を行うのみで完結(確定申告は不要)しますが、治験などの源泉徴収されていない報酬も含めて所得税を計算するものが確定申告になりますので、ご安心して確定申告していただければと思います。
また、何かわからないことがありましたらご質問ください。
本投稿は、2023年12月30日 11時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。