購入時の契約書がない場合の譲渡税の申告について
■都道府県
東京都
■市区町村
世田谷区
■相談内容
来年1月現住居を売却し住み替え予定です。
購入時の売買契約書がなく重要事項説明書に金額記載あるのみですが税務署に電話したら、購入金額の証明となるかは解らないと言われました。
購入価格12200万、売却価格8800万です。
所有期間は7年相続にて
重要事項説明書を補足するにはどうしたらよいでしょうか。また重要事項説明書だけでは本当に購入時のが価格証明にはならないでしょうか?
よろしくお願いします。
税理士の回答
日置崇盛
ご質問ありがとうございます。
契約書が見当たらないと、ご不安だと思います。
契約書がなくても、他の資料を組み合わせて購入金額を説明できる可能性は十分あります。
重要事項説明書は購入金額の手がかりになりますが、契約前の説明書面なので、それだけで実際の支払額まで示せるとは言い切れません。
税務署の「解らない」という回答も、そうした趣旨だと思います。
代金を実際に支払ったことが分かる資料で補ってください。
【補足となる資料】
・代金の振込が分かる通帳や振込控え、領収書
・住宅ローンの契約書、返済予定表
・登記事項証明書(取得の原因・日付、抵当権の額)
・仲介手数料や登記費用の領収書
・売主や仲介会社に残っている契約書の写し
・住宅ローン控除の申告書の控え(税務署で過去の申告書を閲覧できる場合があります)
建物分は減価償却費を差し引いて計算するため、土地と建物の内訳が分かる資料もあると安心です。
【証明できるかで大きく変わります】
購入金額を証明できないと、取得費は売却価格の5%(440万円)で計算することがあります。
仮に3,000万円の特別控除が使えても、譲渡費用を考慮しない概算で、約1,089万円の税金がかかります。
一方、購入金額を証明できれば、売却損となり、税金がかからない可能性があります。
なお、相続で取得された場合は、亡くなった方の購入金額と取得時期を引き継ぎます。
早速のご回答ありがとうございます。
37年前、祖父母が現金一括で購入しており、補足となる資料もないのが現状です…
譲渡費用は300万円くらいなので700万円ほど納税ですね…
お忙しい所ご回答ありがとうございました。
日置崇盛
ご返信ありがとうございます。
37年前に現金で購入されたのであれば、資料が残っていないのも無理はありません。
大きな金額ですので、申告前に3点だけお伝えします。
【税額の目安】
ご試算はおおむね合っています。
祖父母が取得した時期を引き継ぐため、所有期間は10年超となり、軽減税率の対象になると考えられます。
要件を満たす場合の概算は次のとおりです。
8,800万円 − 440万円 − 譲渡費用300万円 − 特別控除3,000万円 = 5,060万円
5,060万円 × 14.21% = 約719万円
【5%に決める前に】
資料が重要事項説明書だけでも、すぐに5%と決めなくてよいと思います。
まずは、説明書に載っている仲介会社や売主に、契約書の控えが残っていないかお問い合わせください。
残っていない場合でも、説明書の金額と当時の相場などから合理的に説明できれば、認められる余地はあります。
必ず認められるものではありませんが、税額への影響が大きいため、申告前に譲渡所得に詳しい税理士へのご相談をおすすめします。
【新居で住宅ローンを組まれる場合】
3,000万円の特別控除を使うと、新居の住宅ローン控除は受けられません。
どちらが有利か、新居の契約前に比較しておくと安心です。
お住み替えが無事に進むことを願っております。
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
あきらめずに複数の方法で当たる余地はあると考えます。
それらの複数の「取得費の解明の努力」を残して、客観的に合理的に疎明・説明でき得る準備が重要と考えます。
まず、建物については、国税庁の「建物の標準的な建築価額表」を用いて推計することも選択肢となります。
土地については、37年前とのことで、バブルで微妙な時期ですので、以下のような検討をされることをおすすめ致します。
-----
抵当権の有りの場合、借入金額が推認しやすく認められやすい感があります。
-----
固定資産税評価額や固定資産税路線価も参考とはなりますが、地価公示価格等の約7割水準とされる前の時代ですので、あまり参考にならない~根拠には弱いと考えます。
しかし、世田谷区内において、概ね同じ水準で設定して課税していたと考えられますので、役所に確認するのも役立つと考えます。
-----
相続税路線価が地価公示価格等の約8割水準とされたのは昭和55年(1980年)からですので、参考になると考えます。
-----
不動産業者に当時の相場を確認することも、有効とまでは断定できませんが、役立つ参考にはなると考えます。
-----
市街地価格指数による推計計算も否認リスク覚悟で選択肢になります。
補足)
国税速報第6400号(平成28年2月22日)では、軽率に市街地価格指数による推計計算を行う前にやるべきこととして、前所有者の情報を入手し、前所有者に照会をかけるなどの実際の取得費の把握に努めることが重要の旨の解説があります。
市街地価格指数による推認という方法も、ひとつの選択肢としては有ります。しかし、質問者さまが試されるおおよその取得費を推認する方法が、必ずしも否定されることではないと個人的には整理していますが、市街地価格指数だけを元に算出するのは、個人的にはおすすめ致しません。
平成12年11月16日の裁決において原処分庁が市街地価格指数を用いて更正した事例を認容したことから、課税実務において市街地価格指数も用いることができるような風潮が生まれました。しかし、その後否認される裁決事例もあることから、課税庁は市街地価格指数の計算に厳しくなっていると言う国税OBもいます。
-----
他に以下も、ひとつの参考・根拠情報にはなり得ます。
運が良ければ、国土交通省のページで、該当の宅地近辺の公示価格が見つかるかも知れません。(昭和45年から検索可能です)
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
県の基準地価格の制度は昭和50年からのようです。
―――――――――――
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
山本快夫
購入価格12200万...
とのことですが、どのように把握されたのでしょうか?
お世話になります。
重要事項説明書に代金の記載がありました。その他の書類はローン、通帳、領収書など祖父母の代で購入したので残ってなかったです。
山本快夫
法定事項ではないものの、重要事項説明書に売買代金を記載することはあります。
そのため、売買契約書ほどの直接的な証明にはなりませんが、合理的に・客観的に、ある程度は疎明・説明できる金額 = 申告において取得費の計算に使える金額だと、個人的には考えます。
しかし、保守的に安心を考慮して、先述したような複数の「取得費の解明の努力」をしたうえで、この重要事項説明書に記載された購入価格12200万の根拠を裏付け・補強していくことも、おすすめ致します。
まだ、申告時期まで時間がありますので、あきらめずに取り組む価値はあると考えます。
なお、質問者さまの金額的に、有料となりますが、責任を伴う税理士に依頼するのも一つの選択肢だと考えます。
宜しくお願い致します。
ご回答ありがとうございます。
税理士さんへは有料での相談から、税務署への確認、申告まで全てお任せしようと考えております。
補足できる資料あるかやってみます。
ありがとうございます。
山本快夫
税理士に有料で依頼されるとのことですので、責任ある対応をしてもらえると考えます。
余談となりますが、
もし、税務署にご相談される場合は、できれば電話相談センターではなく、個別照会をおすすめ致します。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/kobetsu/index.htm
宜しくお願い致します。
本投稿は、2026年11月05日 17時08分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






