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サラリーマンであっても年収2000万円を超えると確定申告が必要となる理屈とは?

サラリーマンであっても年収2000万円を超えると確定申告が必要となる理屈とはどのようなものなのでしょうか?

税理士の回答

端的に申し上げますと給与収入2000万円超の人は会社が行う年末調整の対象外と規定されているからです。会社が年末調整してくれないのであれば、確定申告が必要になりますよね。2000万円以下の方は年末調整対象者として規定されており、会社が年末調整してくれるため、確定申告が不要となっているのです。
日本は申告納税制度をとっており、本来は納税者自らが確定申告する必要がありますが、それを全てのサラリーマンの方が個々にすると税務署の処理が追い付かない為、会社などの給与支払者に源泉徴収義務を課し、年末調整させて負担を軽減させているという趣旨です。

年末調整の対象外と規定されている理由とはどのようなものですか?

年末調整の対象外とされている理由は公に発表されている訳ではないので、あくまで私見ですが、年末調整制度は申告納税制度の例外ですから例外であれば、その範囲を定める必要があります。給与所得2000万円超の割合はごくわずかであり、例外(年末調整対象)の範囲を給与所得2,000万円以下までとすることにより、給与所得者全体をほぼ年末調整でカバーできる(負担が軽減できる)と国税庁が判断されたからではないでしょうか。
実際、国税庁が発表している28年分民間給与実態統計調査でも2,000万円超の給与所得者は全体の0.4%となっているようです。

参考 国税庁HP
(年末調整の対象となる人)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm
(28年分 民間給与実態統計調査)
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2016/pdf/001.pdf

単純にサラリーマンは全て年末調整制度の対象者、というふうに範囲設定することはできなかったのでしょうか?

そうですね。その方が単純明快かもしれませんね。
年末調整制度作成者の気持ちになって考えてみましたところ、以下の理由が浮かんできました。
①原則と例外の関係
②体裁
③税務リスク

①原則(申告納税制度)と例外(年末調整制度)の関係上、例外は少しでも少ないほうがいいですよね。極端な例ですが、原則の範囲が50で例外が50であるとするとどちらが原則かわからなくなりますよね。例外が少なければ少ないほど原則が引き立ちます。
②体裁というのは、申告納税制度をとっている以上、本来は納税者が申告納税し、国(国税庁)がそのチェックするのが本当です。その本来、国がすべきチェックを企業に任せてしまっている訳です。国は「自分の仕事(すべての給与所得者)を全部企業に任せた」とするのと、「給与所得2,000万円超は国(こっち)がチェックするから、それ以外は任せたよ」とするのとどちらが聞こえが良いでしょうか?会社でも自分の仕事を全て任せて先に帰る上司や同僚は・・・ですよね。出来ない分は手伝いますが、自分でできる分は自分でやってほしいですよね。
③の税務リスクですが、単純に所得が上がれば上がるほど、税金計算のミスや脱税という税務リスクが高まります。ことに日本では家族経営のような同族会社がほとんどですし、自分の給与所得の税金を自ら計算して自分でチェックすることになりますから、なおさらです。給与所得2,000万円超は数も少ないし、税務(金額)的にも重要であるので、本来の申告納税制度に立ち返り申告書類を税務署に提出させ国が自らチェックすると言うことではないでしょうか。

以上を踏まえると③が一番しっくりくる気がしますがいかがでしょうか?どれも全て私見ですので、何卒、ご容赦下さい。

本投稿は、2017年10月05日 22時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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