譲渡所得に関する確定申告について
給与所得のある会社員です。毎年「医療費控除」のみ申告しています。
昨年、不動産の売却と株取引がありましたので、合わせて確定申告をしようと
考えています。ついては、以下2点につき、ご教示いただきくメールしました。
【その1】不動産売却について
昨年末(12月)、相続物件であるマンションを売却しました。計算では売却価格
よりも取得価格の方が高くなるため確定申告は単独では不要と考えていましたが、
株式譲渡(以下【その2】に記載)分の確定申告をする場合でも、売却価格より
も取得価格の方が高ければ、不動産分の売却については申告する必要はないとの
理解でよいでしょうか(現時点では税務署から何も問い合わせはありません)?
【その2】株式売買に関する申告について
特定口座(源泉徴収なし)+配当(株式数比例配分方式)を選択しています。
2017年の確定申告にあたり、株取引で損失が発生したために「譲渡損失の繰越控除」を使うことを考えています。一方配当金収入もあるのですが、配当金と株式の譲渡損失も「損益通算」できるとのこと。この「配当金との損益通算」と「譲渡損失の繰越控除」の関係がいまひとつわかりません。以下の具体例の場合、次の考え方でよいのでしょうか?
(ケース1)
株式の譲渡損失 ▲100万円
年間配当金(税引前)+ 80万円 合計 ▲20万円
↓
A)配当金(80万)の源泉徴収された税金分が満額還付され、かつ2018年へ譲渡 損失繰越として▲20万を繰り越すことができる。
(ケース2)
株式の譲渡損失 ▲100万円
年間配当金(税引前)+150万円 合計 +50万円
↓
A)譲渡損失100万円と相殺した残り50万分の配当金の源泉徴収された税金分が還 付されるが、2018年へ譲渡損失繰越はできない。
また、「譲渡損失繰越」は翌年以降毎年確定申告をしなければならないとのことですが、「配当金との損益通算」はその年ごとに選択してもよいのでしょうか(例:2017年は「株式の譲渡損失」+「配当金との損益通算」を選択したが、2018年は「株式の譲渡損失」だけを選択する)。
税理士の回答

藤本寛之
1 不動産売却について
売却価格より取得価格(ただし所有期間の減価償却控除後)の方が高い場合、譲渡損になるため、確定申告の必要はありません。ただし、税務署からの問い合わせがあった場合、譲渡所得が生じていない旨の説明は必要です。
2 株式譲渡による申告
1つの特定口座内で株式譲渡損失と配当が生じた場合、その中で損益通算は既に行われています。
譲渡損△100万円で配当80万円の場合、その差額の△20万円を翌年度に繰り越す申告を行います。一方で譲渡損△100万円で配当150万円の場合、損益通算後の配当50万円については分離課税選択となるため、確定申告する必要はありません。
本投稿は、2018年02月03日 18時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。