不動産売却損の証明書類について
はじめまして。確定申告の不動産売買について相談です、よろしくお願いします。
この度、持家を売却し譲渡損失でした。
・売却した不動産の取得費が証明できる「不動産売買契約書」を紛失してます。
・「建築建物の工事請負契約書」が見つかりまして、その中の建築費金額だけでもそれに見合うがくです。
この、工事請負契約書で証明できることになりますか。
税理士の回答

藤本寛之
確定申告時期が過ぎていますが、参考までに回答します。
ご相談内容が若干不明確ですが、以下のとおりで良いでしょうか。
『売却した自宅の土地部分の取得費が証明できる「不動産売買契約書」を紛失しているが、自宅の家屋部分の「工事請負契約書」が見つかり、家屋の建築費だけでも売却価額を上回る金額であった。
「工事請負契約書」だけで不動産は譲渡損であったことは証明できるか否か』
答えはNoです。
家屋は建築費がそのまま取得費となる訳ではなく、建築してから売却するまでの経過期間に応じた減価償却を加味して計算する必要があります。
減価償却費を加味してもなお、売却価額<(建築費-減価償却費)となるのであれば、土地の取得費が分からなくても確定申告を行う上では実害はありません。
藤本寛之先生
早々の回答をありがとうございました。
・建物の「工事請負契約書」でも取得費の証明にはなる、という解釈で理解しました。
追加の質問で確認させてください。
・回答の中に「家屋は建築費がそのまま取得費となる訳ではなく、建築してから売却するまでの経過期間に応じた減価償却を加味して計算する必要があります。減価償却費を加味してもなお、売却価格<建築費-減価償却費となるのであれば、土地の取得費が分かれば確定申告を行う上では実害はありません。」とありますが、私の場合は下記の通りです。
・昭和62年2月、「栃木県住宅供給公社」から500万円で土地を、「東芝メイゾン住宅株式会社」で建物を1,300万円で建築した物件をこのたび買取業者に400万円で売却しました。
1.築31年ですので、「売却費<建築費-減価償却費」に該当となるのでしょうか。
2.そして、「土地の取得費が分かれば確定申告を行う上では実害はありません。」とのことですが、土地の売買契約書が無いので、どう証明したらよいのでしょうか。
・お忙しいところ誠に恐縮ですが、急ぎませんので是非教えてください。どうぞよろしくお願いします。

藤本寛之
1.建物は木造でしょうか。減価償却費の計算を行う上で必要です。
2.土地の売買契約書がないとの事ですが、(1)相手先が判明していること(住宅供給公社)(2)売買があったことは登記簿謄本で証明できること、売買価格についてご記憶が正確であれば、売買契約書なしで申告してみてください。
お忙しい中、再度の回答有難うございます。
1.申し忘れました、築31年の建物は軽量鉄骨住宅です。(分類上では木造ですか)
2.「土地の売買契約書がなくても相手先が判明していること(住宅供給公社)」とのことですが、「取引事実が分かる書類か何か」を、住宅供給公社から取り寄せるということでしょうか。
済みませんが、どうぞよろしくお願いします。

藤本寛之
1.軽量鉄骨住宅の耐用年数は27年で、非業務用資産に該当するため、減価償却費は以下のとおりとなります。
建物の減価償却費累計:1,300万円×90%×0.025×31年=906万円
建物の取得費:1,300万円-906万円=394万円
2.土地の登記簿謄本でご相談者の前の所有者は判るので、特に書類を取り寄せる必要はありません。
建物と土地の取得費の合計が売却価額を上回っているのは明らかなので、土地の売買契約書なしで申告しても良いと思います。
お忙しい中、再々の回答有難うございます。
大分理解できましたが、建物の減価償却費累計:1,300万円“×90%×0.025“×31年=906万円の“×90%×0.025”部分の根拠がわかる「算定表」或いは「参考になるサイト」でも結構ですので教えたください。どうぞ宜しくお願いします。

藤本寛之
補足します
・非業務用資産なので耐用年数は通常の耐用年数の1.5倍になります。
法定耐用年数27年×1.5倍=40年
40年の旧定額法の償却率は0.025となります。
・旧定額法は残存価額10%なので、計算式は以下のとおりとなります。
1300万円×(100-10)%×償却率0.025×経過年数31年
藤本先生、長期にわたり幾度もの質問に対し丁寧に教えて戴き、大変有難うございますした。疑問点が解決して感謝致します。
失礼致します。
本投稿は、2018年03月06日 11時59分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。