差額補償の所得区分はどのようになりますか?
家族経営で畜産業を営んでいますが、自分名義のセリ落とし値が給与替わりとなっております。
給与替わりとの事で、最低保証として設定している金額があります。
セリ落とし値が最低保証額を下回った場合、差額(数万~数十万円)を『セリ代差額保証』の名目で実家(共同経営者、確定申告はそれぞれにて実施)との間で精算しております。
この場合、『セリ代差額保証』としての収入は、確定申告ではどの所得区分で処理すればよろしいでしょうか。
税理士の回答

石割由紀人
ご質問の「セリ代差額保証」に関する収入の所得区分ですが、以下の要素を考慮する必要があります。
1. 「給与替わり」という扱いについて
「セリ落とし値」が給与の代わりとなっているという点から、以下の可能性を検討します。
- 給与所得
実家(共同経営者)が個人事業主としてあなたに「給与」として支払う形であれば、その差額補償も給与所得に該当します。ただし、この場合、源泉徴収義務が発生します。
- 事業所得
あなたが畜産業を営む独立した個人事業主として収入を得ている場合、セリ代差額保証も「事業所得」に含める形となります。この場合、必要経費として事業に関連する支出を差し引くことが可能です。
2. 「精算」の性質による判断
「差額補償」が単なる家族間の助け合いのような性質であれば、以下の点を検討します。
- 雑所得
「セリ代差額保証」が一時的・臨時的な収入とみなされる場合、雑所得として申告することが適切な場合があります。ただし、反復的・継続的に発生している場合は雑所得ではなく、事業所得や給与所得の可能性が高まります。
3. 確定申告の取扱い
具体的には以下の流れで判断するとよいでしょう。
1. 給与所得として申告するケース
実家が差額補償を「給与」として支払っている場合は給与所得として処理します。ただし、この場合は源泉徴収義務が発生し、給与明細を発行する必要があります。
2. 事業所得として申告するケース
あなたが個人事業主として確定申告している場合、差額補償も事業収入に含めます。この場合、差額補償に対応する経費(例えば畜産に必要な飼料費など)を必要経費として計上できます。
3. 雑所得として申告するケース
差額補償が本業(畜産業)の収入と明確に分けられる場合や、臨時的・一時的な支払いとして扱う場合に、雑所得として申告します。
本投稿は、2024年12月07日 00時21分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。