国外転出前後の上場株式譲渡損失の繰越控除について
お世話になっております。
私は海外留学のため、令和5年8月に国外転出届を出し、そして同令和5年の確定申告を従来通り行いました。もし、来年2月に日本に戻り、転入手続(住民登録)をする場合、確定申告で国外転出前の上場株式繰越損失の控除を使えますか(即ち、令和6年分の上場株式譲渡所得から令和3年、4年から繰り越された上場株式譲渡損失を差し引くこと)?また、同じ質問で、もし今年12月に日本に戻り、転入手続をする場合、結論は変わりますか?
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

石割由紀人
国外転出前の上場株式譲渡損失の繰越控除については、以下のように考えられます。
1. 繰越控除の要件: 繰越控除を行うためには毎年の確定申告を欠かさず行うことが必要です。過去3年分の損失を繰り越すためには、当該期間中、譲渡がない年でも確定申告を行う必要があります。
2. 国外転出の影響: 国外転出を行っても、その年の所得についての確定申告を行っていて、適切に繰越控除の手続きをしていれば、戻ってきたときに再度居住者となった年の譲渡所得と繰越損失を相殺することが可能です。
3. 戻る時期(12月か2月)の影響: 転入手続のタイミング自体は繰越控除の適用可否に対する大きな影響を与えません。ただし、税務上の居住者としての地位を取り戻せば、その年の年末までに居住者になれば繰越控除が適用可能になります。
したがって、令和5年の国外転出以前に確定申告を行った上で適切に手続きをしている場合、翌年の令和6年に日本に帰国した後の住民登録により、転入時(12月でも2月でも)にかかわらず、過去の繰越損失を適用できる可能性があります。
本投稿は、2024年12月07日 16時54分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。