確定申告時、生前贈与を受けた不動産売却にかかる税金について
数ヶ月前に生前贈与により、父親から私への名義変更を行った実家の売却を検討中です。実家にはまだ父親の住民票をおいております。その場合、居住用不動産譲渡の特例を適用することはできるのでしょうか。適用できない場合、適用できるようにするための条件はあるのでしょうか。
税理士の回答

生前贈与でご相談者様に名義が変わった後に売却となりますと、売主はご相談者様になりますので、その家屋にご相談者様がお住まいであれば居住用の特例が適用できます。
しかし、居住されている方がお父様で、ご相談者様は別の住宅にお住まいということになりますと、ご相談者様では居住用の特例は適用できません。
ご相談者様が居住用の特例を受けるためには、ご相談者様が実際にその家屋に住んで頂くことが必要です。住民票だけを移しても、実際に住んで頂かないと適用は出来ませんのでご注意ください。
宜しくお願いします。
早速、回答いただき、ありがとうございます。名義を、父名義として元に戻す、あるいは名義を共同名義にする、などすれば居住用の特例の適用を受けることはできるのでしょうか。

ご連絡ありがとうございました。
不動産の贈与がありますと、贈与された方にその不動産の価額(相続税評価額)に応じた贈与税が課税されます。そして、贈与で移転したものを、また元の所有者に戻しますと、そこでも贈与があったとみなされて、元の所有者に贈与税が課税されます。つまり、今回のお話しの場合、原則的な取扱いとしては、ご相談者様に名義変更したことでご相談者様に贈与税が、仮に今後、お父様に名義変更するときにはお父様に贈与税が、それぞれにかかることになります。(贈与税は翌年の2/1~3/15の間に税務署に申告し納税する必要があります。)
以上が原則的取扱いです。
しかし、当初のお父様からご相談者様に名義変更したことが「贈与ではなかった」となれば、話しは違ってきます。そして、税務上も「やむを得ない場合」には例外的な取り扱いをするようにしております。
下記サイトをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sozoku/640523/01.htm
(「名義変更等が行われた後にその取消し等があった場合の贈与税の取扱いについて」)
本件に関しましては、上記通達の「5」を理由に、贈与がなかったものとみなして頂くのが宜しいかと考えます。そのためには「最初から贈与の意思はなかった、軽率に名義変更をしてしまった、名義変更することで贈与税がかかるとは思ってもいなかった」ということでなければなりません。
名義を戻す前に税務署に行かれて、上記の事情をご説明し、贈与税の課税が無いことを確認したうえで、登記の手続きを行ってください。
さて、前置きが長くなりましたが、お父様の名義に無事に戻った後で、お父様が売主として売却して頂ければ、居住用の特例が適用できることになります。
(お父様が実際に居住されていることを前提としております。ご了承ください。)
長くなりましたが、ご参考になれば幸いです。
本投稿は、2015年09月09日 10時26分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。