任意団体の税務申告(人格なき社団?)
昔からのなごりである村と言うか町内の土地を15人ほどで共有しています。
その内の一人が母です。
この土地は昔は村であり村民が共同で野菜の洗い場として使用していました。
かなり昔の話なので経緯はわかりませんが、この洗い場は数十年前から
貸駐車場となっております。
会計は15人の中で1年毎に持ち回りをしています。
こういったところは、同じような集落等があれば恐らく珍しい事ではないと
思います。
ただ、今まで共同の土地から得た収益と維持管理する費用を差し引いて
残った収支を15名で均等に分けています。実際にお金として貰っているわけ
ではありませんが、この15分の1の利益については、あくまでも不動産所得
として捉えて母は申告しています。
これで問題はありませんか?
それとも任意団体として法人税の申告をすべきなのでしょうか?
こういった同じような状況で申告されている先生方がおられるといいのですが。
税理士の回答
【結論】
ご質問の記載から、15人の共有地を貸駐車場として運用し、収入と維持管理費が各共有者に直接帰属していることを前提にすると、お母様が利益の15分の1を不動産所得として申告する方法で考えます。実際に現金を受け取っていなくても、共有者に帰属する収益・費用であれば申告対象になり得ます。
【理由】
共有不動産であれば、原則として各共有者が自分の持分に応じて駐車場収入と必要経費を計上します。持分が均等なら、概算は「年間駐車場収入÷15-年間維持管理費÷15」です。持分が均等でなければ、15分の1ではなく登記上等の持分で計算します。
一方で、規約により団体が財産・収入を管理し、代表者や組織として継続的に運営している場合は、人格なき社団として団体に法人税申告が必要となる可能性があります。この場合は各人の不動産所得という扱いとは変わり得ます。
長年の慣行だけに、申告主体がどちらか迷われるところだと思います。
次に、①土地の登記でお母様を含む15人の持分を確認し、均等かを確かめる、②駐車場の契約名義・口座名義・収入の入金先を確認する、③規約、代表者、団体名義の財産や独立した会計があるかを確認してください。共有者へ直接帰属する資料がそろえば現行の個人申告を継続しやすく、団体帰属の実態が強ければ法人税申告を前提に整理します。
竹中公剛
この15分の1の利益については、あくまでも不動産所得
として捉えて母は申告しています。
上記は村からの指導で行っているのでしょう。
そのあたりの経緯も聞いてください。
その地域地域でのやり方があるでしょうから。
山本快夫
お世話になります。
ある財産が団体の所有となっており、その財産が団体によって強く拘束されている状態であることを「総有」といいます。(拘束が弱いと「合有」といいます) 総有も合有も、団体の各構成員は団体財産に対して持分分割請求をすることができないとされています。ご質問の前提から、地域における地縁団体の財産として「総有」となっている可能性があります。
国税庁 参照ページ
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/joto/02/04.htm
(回答1.が共有、回答2.が総有です)
住民各人による「共有」か、地域の地縁団体による「総有」か、どちらに該当するのか、見分け方となります。
見分け方①
「総有」の場合は、各構成員が団体から脱退する際には、各構成員は持分の払い戻しを受けることができません。また、地区外に転出した場合には権利を失いますので、このあたりが判断指標となります。
見分け方②
「総有」の場合には住民1戸当たり(または1人当たり)の分配金額が均等ですが、「共有」の場合は持分に比例します。
駐車場収入として今後も継続するでしょうから、ぜひ一度ご確認されることをおすすめ致します。
余談となりますが、歴史的な経緯・地域の諸事情により、住民個人名義を便宜上使用して登記している土地等については、地方自治法第260条の2第1項に規定する「認可地縁団体」の名義とすることが推奨されています。なお、個人名義から認可地縁団体名義に無償で変更したとしても、いずれにも課税関係は生じないと解されています。
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になれば幸いです。
山本快夫
補足となります。
「総有」だった場合は、駐車場収入に係る不動産収支は団体に属し、地区の住民に分配された時点において、住民の「雑所得」になります。
宜しくお願い致します。
申し訳ありません。
もう少し踏み込んでご質問致します。
登記を確認したところ、この会の代表の3役で登記されていました。
これは共有とかではなく代表の名義で登記したものだと司法書士さんから説明を受けて
いるそうです。
15人の共有と思っていましたが共有ではなく山本快夫先生の記載して頂いていいた
見分け方①が最も近い気がします。構成員名簿も確認したところ引っ越しされた方や
亡くなった方がこの地域から存在がなくなった時点で単純に脱会として扱っているようです。
なので過去は15人(現実には15世帯)ではなく20世帯が構成されていた時期もあったようです。
15世帯の内、母のように自分の所得+15分の1の本会の利益配分を確定申告している方や
何もされていない方もおられて、本会が指示したわけではなく個々の判断に任せた経緯が
あるそうです。
会計が持ち回りであり今年が私の母が受け持つ事になったのですが、本会の総会で税務上どう
なのかが誰もわからなく疑問はあったものの、どうすべきかも判断できずに現在まで来て
しまったそうです。私が以前、税務の仕事をしていた事もあって本来あるべき姿にしておきたい。
との意見が出たそうで、この事案を任される事になりました。
皆様のご回答を総合すると本来は”総有”となり法人税の申告が必要だったという事でしょうか?
山本快夫
おはようございます。
私のご提示した国税庁の質疑応答事例では土地の譲渡のケースとなっていますが、譲渡ではなく賃貸収入のケースも同じ扱いとなります。
質問者さまの前提から「総有」の状況だと考えます。
そうなりますと、これまでは法人税の申告が必要だった...ということになります。
とはいえ、まずは「今後の」申告を正しいあるべき方法で処理する準備を優先すべきだと個人的には考えます。過去の申告分については落ち着いてから再検討するのが現実的だと考えます。
宜しくお願い致します。
山本快夫
現状の「地縁団体(地縁による団体)」は「人格のない社団」に該当するものと解されいますので、法人税の申告というのが正しいあるべき方法となります。
竹中公剛
との意見が出たそうで、この事案を任される事になりました。
皆様のご回答を総合すると本来は”総有”となり法人税の申告が必要だったという事でしょうか?
上記だと面倒です。
今いる人がここで、利益を等分する仕方が楽でよい。
それがしきたりのように思います。
お母さんの申告の仕方を皆が引き継ぐべきでしょう。
税務署も何も言っていないでしょうから。
山本快夫
法人税申告と聞くと、多くの方が大変だと躊躇されますが、
都市部においても、労働組合やマンション組合をはじめとして多くの団体が、人格なき社団の収益事業のみについての法人税申告について、税理士関与なしで、たとえ間違いだらけ・ミスだらけであっても、税務署や県税・市税の理解・指導のもと、なんとか前に進められています。
地方部では、都市部よりさらに理解があり協力的だと感じますので、良い機会ですし、良い方向に進められると幸いです。
宜しくお願い致します。
本投稿は、2026年08月07日 17時33分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







