税理士ドットコム - [確定申告]旅館業の貸別荘の共有持分購入:所得区分と家具・サウナの少額減価償却について - 「賃料収益」という表示だけでは所得区分は決まら...
  1. 税理士ドットコム
  2. 確定申告
  3. 旅館業の貸別荘の共有持分購入:所得区分と家具・サウナの少額減価償却について

旅館業の貸別荘の共有持分購入:所得区分と家具・サウナの少額減価償却について

会社員(所得税率33%)です。旅館業(簡易宿所)で運営される貸別荘の共有持分を、運営会社から購入予定です。旅館業の許可名義と宿泊契約の当事者は運営会社です。オーナーは運営会社と委託契約を結び、運営会社が代表者として運営者を選定し、宿泊売上から報酬(売上の20%)や経費を引いた残りを持分に応じて年2回分配します。資料では分配金を「賃料収益」と表記しています。年内に購入、来年初めに営業開始の予定で、土地・建物のほかに家具等の負担金を別途払います。資金はフリーローンです。

質問1:所得区分
この所得は不動産所得でよいでしょうか。契約名が「委託契約」で、分配金は売上から経費を引いた額ですが、雑所得と判断される可能性はありますか。不動産所得なら、赤字は給与所得と損益通算できるという理解でよいでしょうか。

質問2:家具・サウナの一括償却
家具・家電・アメニティ(持分で合計数十万円)と新設サウナ(持分で約20万円、物件全体では500万円超)を、運営会社の資料では初年度に全額経費にする前提です。家具等は1点ずつ持分で見ればほぼ10万円未満です。①運営会社に貸して使う資産として、令和4年改正の「貸付けの用に供した資産」の除外に当たり、10万円未満の少額減価償却資産や40万円未満の特例が使えないことはありませんか。②共有資産の金額判定は、1点ごとに自分の持分で行ってよいですか。③家具等は売買契約とは別の「負担金」として払いますが、減価償却資産として扱えますか、繰延資産になりますか。

質問3:償却開始時期と開業前の費用
減価償却は営業開始月からの月割りでよいでしょうか。建物は築10年の木造で、簡便法で躯体9年、設備7年とする予定です。また、営業開始前の登記費用、ローンの手数料・利息、プレオープン時の視察交通費、相談料は、開業費と取得価額のどちらで扱うのがよいでしょうか。

質問4:青色申告
この規模で青色申告にするメリットはありますか。承認申請の期限は業務開始日から2か月以内でよいですか。業務開始日は所有権移転日と営業開始日のどちらですか。

税理士の回答

「賃料収益」という表示だけでは所得区分は決まらず、貸付けか共同の宿泊事業か、契約と損失負担の実態確認が必要と考えられます。不動産所得でも保養目的の物件や土地取得借入利子、組合等の損失には通算制限があります。また、少額資産の特例には2022年以降取得の貸付資産の除外(主要な業務として行う貸付けを除く)があり、持分額だけで初年度全額経費とは判断できません。負担金で取得する資産・権利の帰属、資産単位、供用日を確認し、費用や耐用年数も個別に検討する必要があります。青色申請は原則3月15日、新規業務開始が1月16日以後なら開始から2か月以内です。契約書・資産別明細・自己利用条件を近隣の税理士に示し、2026年の取得と2027年の運用を分けて確認されるとよいと考えられます。

※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。

ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。補足させてください。

・土地・建物は共有持分として登記され、運営会社も1口を保有します
・旅館業の許可名義と宿泊者との契約は運営会社です
・契約名は「共有持分者間協定兼委託契約」で、修繕を含むすべての決定権を運営会社に委託し、共有物分割請求はできない特約があります
・宿泊売上から運営報酬と経費を引いた残りを持分に応じて分配し、赤字は翌期以降で相殺、続く場合はオーナーから徴収することもあります
・家具等の所有権はオーナーにあり、自己利用は年6泊程度です

この場合、①貸付けとして不動産所得とする余地と、協定が組合契約にあたる可能性について、一般的にどちらに傾くとお考えでしょうか。②12月末に営業開始した場合、家具等の供用日は営業開始日と考えてよいでしょうか。

お世話になります。

ご質問に対する回答)
 ↓
不動産所得の可能性も考えられますが、実態は「共有持分者間協定兼委託契約」のもと、共有者間の共同事業(任意組合)の合意が実質と考えられます。

ご質問の前提から、旅館業の運営者との「賃貸借契約」の有無が不明ですが、たとえ賃貸借契約を締結していたとしても、所得区分の判定にあたって、その形式だけでなく実態も重視されるものと考えます。

そのため、単なる不動産共有者としての不動産賃貸ではなく、旅館業(簡易宿所)として貸別荘を運営する何らかの対価を得ていると考え、事業所得または雑所得に該当するものと個人的には考えます。


参考)
特区民泊の所得区分について、滞在に適した施設の「賃貸借契約」であっても、契約の形式ではなく、取引の実態に着目して、旅館業に該当し、不動産の貸付けには当たらないと解すると説明されています。
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/96/01/01.pdf#page=7

―――――――――――
なお、事業所得か雑所得かの判定について、ある所得が所得税法27条1項にいう事業所得に該当するか否かは、「自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得」であるか否かによって判断すべきである(最高裁昭和56年4月24日)というのが指標とされています。


他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。

ご回答ありがとうございました。参考の論文も拝見し、実態から判断される点がよく理解できました。いただいた内容を踏まえて、税理士に個別に相談したいと思います。

本投稿は、2026年10月27日 14時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

この相談に近い税務相談

確定申告に関する相談一覧

分野

人気のエリアの税理士事務所

確定申告に関する他のハウツー記事を見る

みんなの税務相談

税理士の無料紹介サービス

プロが税理士を無料でご紹介いたします

  • 相談無料
  • 全国対応
  • 24時間受付
税理士紹介サービスの詳細はこちら
累計 相談数
169,039件
直近30日 相談数
525件
直近30日 税理士回答数
2,746件