副業で青色申告か白色申告か判断に迷っています
現在会社員で、今年2月から副業を始めました。
副業の内容はWebコンサルタントです。
年間売上は120万円ほど見えていて、経費は多くても30万以内の予定です。
会社員の副業では事業所得ではなく、雑所得とみなされるとよく目にします。
もし青色申告をしても、後ほど雑所得としてみなされてしまうのであれば、初めから白色申告として活動した方がいいと思い、悩んでいます。
私の副業の場合、やはり雑所得扱いになるのでしょうか?
また、副業でWebサービスを行なっており、事業所得とみなされるケースはあるのでしょうか?
税理士の回答

曽田敏彦
こんにちは。事業所得となるかどうかは、あくまでもご本人のやる気や意思にかかるところでしょう。
ご自身がやる気をもって能動的に始めた商売は事業所得といえるのだと思います。
たとえ初年度120万であったとしても、次年度はもしかしたらもっと大きな事業に成長しているかもしれません。
事業所得として開業届を提出して、青色承認申請もされれば、最低でも青色申告の特典である青色申告特別控除を10万円は控除できますので、有利です。
webコンサルタントもwebサービスも事業所得として提出することをお勧めいたします。
税務署への申請書の提出はタダですから。
事業の成功を応援しております。

事業所得になるためには、本業が給与所得でなく開業届(青色申告承認申請書を含む)の提出がされた場合になります。開業届の提出には、今後副業を片手間ではなく毎日継続的に反復的に事業的規模で行うことが必要になると思います。この条件を満たす可能性があれば、所轄の税務署に事前に相談されるのが良いと思います。
早速のご回答ありがとうございました。
本気度が重要だと言うことですね。
いただいた内容でもう少し質問させてください。
今後の事業成長、継続的・反復的な事業可能性といった部分の客観的な判断は、
税務署の方は何かしらの確定申告時の数字から判断されるのでしょうか?
それとも、確定申告提出後に何かしら質問され、私の回答内容から判断されるのでしょうか?
どういう基準で税務署の方に判断されるのかがわかると大変ありがたいです。
この基準がはっきりとしていないため、事前に税務署に相談した方が良いと言うことでしょうか?
よろしくお願いいたします。

曽田敏彦
回答遅くなり申し訳ございません。
最高裁の判例をもとに紐解いてみましょう。TAINSからの引用です。
「1 所得税法27条1項は事業所得の定義を示し、所得税法施行令63条は事業の種類を例挙しているが、そのいずれにおいても「事業」そのものの定義を示してはいない。したがつて、所得税に関する法令の解釈として「事業」とは何であるかを確定しなければならないのであるが、その手がかりとなるのは施行令63条12号に示された「対価を得て継続的に行なう」という文言である。
2 したがつて、所得税法上「事業」の概念を確定するには右の「対価を得て継続的に行なう」という文言の内容と所得税法が所得の種類を10種に区分し、それぞれについて所得金額の計算方法を異にしていて、その一種として「事業所得」を掲げていることの立法趣旨等を考慮しながら、最終的には社会通念によつて定めざるを得ない。
3 所得税法が事業所得について、青色申告の制度を定め、純損失の繰越・繰戻等によつて、いわゆる継続企業の損益とそれに対する租税負担とを長期に亘つて合理化することとしていることにてらせば、同法上「事業」というに該るためには、継続性が要求されることは当然である。
4 裁判例において「事業所得とは自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性・有償性を有し、かつ、反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいう」とされる(最高裁昭和56年4月24日第2小法廷判決・民集35巻3号672頁)。
このような理解は事業所得と給与所得との区別・事業所得と譲渡所得との区別等を明らかにしようとする場合に、何の支障もなく通用している。」
さてここで実務上問題となるのが、給与所得を事業所得の赤字と相殺することで課税所得を減らして節税しよう、という方法です。これは損益通算といって、事業所得での損失は給与所得その他の総合課税の所得と相殺することが税法上認められているのです。これの封じ込めのために、給与所得者に対しては事業所得ではなく雑所得としようという税務署の姿勢があります。(もちろんこれは広く課税の公平を図るためなのですが。)雑所得は損失がでても他の所得との相殺が認められていないのです。
このあたりをよくお考えの上、ご自身の事業への方向性と一貫した姿勢を吟味して、事業所得でいくのか雑所得でいくのかしっかりとした意思を持つことが必要なのです。ご参考になれば幸いです。
ご丁寧な回答ありがとうございました。
いただいた内容踏まえ、自分なりに吟味して結論出してみます。
ありがとうございました。
本投稿は、2021年02月16日 09時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。