不動産所得の算出にかかる登録免許税の繰延
2021年に不動産を購入し、購入時に大きな金額の登録免許税を支払いましたが、2022年に入って当該不動産にかかる賃貸収入が発生する見込みです(賃貸契約の締結は2022年)。
この場合、
2021年の登録免許税を2022年確定申告時に、繰延資産として計上し、2023年確定申告時に、当該繰延をした登録免許税を必要経費として計算すると、不動産所得が20万円以下となる見込みですが、この場合、そもそも賃貸収入にかかる2023年確定申告は不要になるのでしょうか?
2022年確定申告時に繰延資産として計上した登録免許税の扱いが分からず、お伺いする次第です。
税理士の回答

安達幸男
あなたの場合は、2021年分については、不動産所得が20万円以下になることから、確定申告をする必要はありません。
繰延資産として計上した登録免許税については、「開業費」という扱いになりますので、5年間で均等償却するか、または、任意償却という形で償却するか、いずれかの方法により経費に計上することになります。この任意償却というのは、開業費の範囲内であれば、任意の年分にいくらでも自由に経費(科目は開業費償却)として計上してもよいということです。
ご回答ありがとうございます。
追加で恐縮なのですが、
①登録免許税について繰延資産として計上するのは、2022年分確定申告の際で良いのでしょうか?(2022年分の確定申告で、過去の2021年に生じた費用がいきなり出てくるのはOKなのでしょうか?)
②上記のケースで、登録免許税と同様、2021年の不動産購入時に発生した銀行のローン事務手数料も2022年分確定申告で繰延資産として計上し、任意償却しても良いのでしょうか?

安達幸男
あなたの場合、賃貸開始が2022年ということですので、不動産賃貸業の開業をしたのが、2022年からということですので、2021年は賃貸事業を行っていないので、他の所得のことはわかりませんが、確定申告は不要です。開業費の計上については、開業日前にそれまでにかかった費用を計上するので(計上時期は開業日のある2022年となります。)、2022年に開業費が計上されていても、全く問題ありません。
これに対して、借入に関する事務手数料については、建物の取得価額に算入することになります。その後は、減価償却という形で毎年経費計上されることになります。
参考までに条文、通達をあげておきます。
※所得税法施行令第126条第1項第1号(減価償却資産の取得価額)
・・・購入に要した費用に該当(ローン事務手数料)
所得税法基本通達37-5及び49-3
・・・必要経費(登録免許税)
素人の私に、とても分かりやすい、お返事ありがとうございました。とても勉強になりました。、
本投稿は、2022年01月02日 11時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。