夫婦間のお金のやりとり。贈与税になるのか?
夫:会社員
妻:専業主婦(厳密には2022年度開業した個人事業主ですが、年間所得は基礎控除以下で15万ほど)
2年前まで、私が開設したネット銀行の口座で、夫からの月々の生活費(25万前後)とボーナスでもらった当面使用する予定のないまとまったお金(多いときで1回200万ほどの送金履歴あり)を預金し家計管理していました。
日々生活に必要なものはこの預金から支払い、私が独身時代に作った口座から引き落としとなるクレジットカードで生活費を立て替た場合は、この預金から振込で補填するということをしておりました。こうした管理をする中で、5年ほどで預金残高は1,000万近くなりました。
この預金について夫婦間であげた・もらったという贈与の意図は全くなく、あくまでペイオフや不正送金の対策として、夫の資産の一部を妻の名義で預かって管理していたという認識です。
これを2年ほど前にとある相続専門の税理士さんにご相談し、明らかに名義預金であるから、夫の相続の時に相続財産に含め申告するか、今のうちに夫名義の口座に戻せば問題もないとご指南いただき、当面生活費として使う分を除く貯蓄部分950万を夫名義の口座に数回に分け振込で返金し、名義を戻しました。
それ以来、認識をあらため原資を稼いだ人と口座の名義が揃いよう、家計管理は夫の口座で行っています。夫婦間での安易な高額送金も行っていません。
しかし先日とあるサイトで、「妻が専業主婦で預金の原資が夫であっても、贈与の意思がなかったことを証明しようがないし、妻が自由に使っているのだから、生活費を除く部分の送金については贈与となる可能性がある。」といった書き込みを見かけ、専門家の先生の指示のもと行った行為にも関わらず、あれは正しかったのか?と不安な日々を送っています。
私のやったことは間違っていたのでしょうか?やはりどこかに贈与と認定されてしまう余地はあるのでしょうか?
相続専門の先生や課税側の立場にいらっしゃった先生にご回答願えれば幸いです。
税理士の回答
国税OB税理士です。税務署では、相続税贈与税の担当部署の管理職をしておりました。昨年、特別国税調査官を最後に退職し、相続税に特化した税理士事務所を開業しました。
ご質問の回答ですが、先に専門の税理士が回答を行った内容は、100点の回答です。あなたが、その回答にそって行った一連の行動も正しいです。
私が、税務調査を行った場合にもそのようになっていたとすれば、指摘は特にないと思います。
とあるサイトの回答は、デタラメに近い内容ですね。
西野先生
ご回答ありがとうございました。お二人のエキスパートのご意見が一致し、間違いではなかったと大変安堵いたしました。
差し支えなければもう一点だけよろしいですか?
数年前に私自身が歯の矯正を考え、その費用90万ほどを夫の口座から私が独身時代の形成した口座に資金を移したことがあります。
しかし美容を目的とした矯正のため贈与が絡んでくるのか?と疑問がわき、結局矯正はやらずじまい、90万も未だ私の口座で預かっている状態です。
伺いたいのは、治療ではなく美容目的の矯正費用は、相互扶養の範疇のお金になるのか?
また90万は振り込みで夫に返金すればいいのか?日々の生活費として費消する形で清算してしまってもいいのか?
この2点です。
ご多忙の折、恐縮ですが何卒よろしくお願いします。
更問の回答が、遅くなりすいません。今も仕事中なので。
90万円程度であれば、矯正のお金に使ってしまっても特に問題はなかったですね。広い意味で、生活費ですね。
返金は、口座を通したほうがいいですね。
矯正は美容目的であっても広義には生活費となるのですね。では今からでも再検討してみます。
もしこの90万を矯正に使用しない場合は、振込で夫名義の口座に戻します。
お仕事中にも関わらず、スピーディーに回答していただき大変助かりました。
ありがとうございました。
西野先生
最後にやりとりさせていただいてから間が空いてしまったのですが、信頼のおける先生にもう一点ご教示いただきたく、どうかよろしくお願いします。
前段の私名義で開設・管理していた口座の履歴を見返していましたところ、以下の点に気づきました。
①1度だけ同口座内で1ヶ月10万円を定期預金にしていた。
②自宅で趣味の延長で手芸教室を開催していまして、その売上をこの口座に一旦入金し、入金後すぐ独身時代に作った自分の口座に振り込んでいた。
(年間で50-60万ほど。数回に分けて振込。理由は振込手数料が無料で銀行ATMに入金に行く手間が省けるため。)
一番最初に質問する際に抜けており申し訳ございません。度々で大変恐縮ですが、これら2点を踏まえても贈与の問題はないでしょうか?
回答が遅くなり、すいませんでした。
もう一度、あたまから読み直しましたが、特段問題にすべき事項はありません。
大丈夫ですね!
度重なる質問に対しても真摯に向き合い回答くださる西野先生には感謝しかありません。重ね重ね感謝申し上げます。
ここでのほかの方の質問をいくつも拝見しましたが、妻が開設し自由に入出金できる口座で、夫から預かったお金を生活費とし費消しながら同口座内で預金の一部を定期預金をするという同じケースが見当たらなかったので、果たしてどのような扱いになるのか?
夫といえども他人の資金で定期預金にしたら株や金融資産を購入したのと同様、贈与になるという回答も他のサイトでは見受けられたので、だとしたら私のケースではどこからどこまでが贈与になるのか?
素人で分からないことが多く、知らない間にまずいことをしてしまったのでは?とネット記事をきっかけに過敏になってしまい、もう不安で不安で。このような質問をしてしまった次第です。
先生から大丈夫です!の一言がいただけて、やっとぐっすり眠れそうです。
主人の口座に返金した分も含め、こういったお金の流れは将来のために覚書で残した方がいいのでしょうか?
通帳等な保存で、説明がつくようにしておけば、大丈夫です。
あとは、この回答を保存されておいてください。
贈与の意思がなく、分かりにくくなるので、実質のお金の所有者に戻した訳で、何の問題もありません。
税金に対して、正しく対応しようという方であったので、私も内容(結構長かったですが)をよく読んで回答しました。
私自身は、国税の職場でその半分以上を特別国税調査官として高額や悪質な相続税事案を中心に調査を行ってきました。
西野先生
承知しました。
長文にも関わらず、お付き合いいただき本当にありがとうございました。直接お目にかかってお礼をお伝えできないのが残念です。
万が一に備え、夫婦それぞれのお金を混在させたり、税務署にあらぬ疑いをかけられてしまうような行為は避けるよう心がけながら家計管理をしていきたいと思います。
あらためましてありがとうございました。
本投稿は、2023年04月22日 11時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。