妻から夫名義口座への資金移動について
共働き夫婦です。
夫婦の資金を一括管理する目的で、2023年5月に夫婦それぞれが給与天引で行っていた財形貯蓄(夫:700万・妻:650万)をそれぞれ解約。
その後6月に妻名義の650万について、管理のしやすさ、利息の高さ等の理由から、夫名義の口座2つに分けて預入した(A銀行:400万円・B銀行:万円250)。
不勉強であったため、お互い贈与の意識もなく、資金を管理しやすいためという安易な考えから資金移動をしてしまい、今さら夫婦間での資金の移動も贈与税がかかると知り、どうしたら良いかと不安で眠れません。
上記の場合、妻から夫名義の口座へ移した650万円について、贈与税の対象となるでしょうか?
また、2023年中に妻名義の口座に650万円を返金すれば贈与税はかからないでしょうか?
<A銀行>
夫名義の口座が2つあり、両口座は妻が管理している。
① 家賃・光熱水費、子供2人の学費、クレジットカード決済等の生活費の引落がある口座かつ夫の給与振込のある口座
② ①の残高が少なくなった際に補填するために貯めている口座
両口座は、毎月給料日以降に妻がバランスを見ながら、①ないし②に妻の給料分を入金している。また、今年から夫がA銀行のアプリを導入、妻の指示のもと①②間の資金移動を行っている。24時間手数料無料で資金移動ができ管理がしやすい。生活費に関すること以外での資金移動はない。(投資や贅沢品の購入等は行っていない)
<B銀行>
夫名義の口座、預金利息が一般金融機関より高いため、夫からの資金750万円と、妻からの250万円を入金。
夫の名義のつみたてNISAの資金として、毎月6,667円が引き落とされている。(妻名義の資金を入金以降11月までに合計5回・33,335円拠出)
それ以外の入出金はない。
夫婦共に大変困っています。
よろしくお願いします。
税理士の回答

ご相談に文面からは、お二人の間で贈与の認識はなく、税に関する知識不足から安易に行ってしまった行為と思われますので、速やかに元の状態に戻すことで、贈与税の課税は回避できると考えます。
面倒かもしれませんが、奥様の資金は奥様名義の口座に戻して頂き,奥様の名義で管理運用して頂くのが宜しいと思います。
服部さま
お忙しいところ早速のご回答ありがとうございました。
贈与税の課税を回避できそうとのことなので、妻ともども安心いたしました。ただ次々に不安になる部分・確認させて頂きたい部分がでてきております。
大変恐縮ではございますが,追加でお尋ねさせて頂きたいことがあります。
①すぐに妻口座へ戻そうと考えていますが、その際に贈与ではなかったという何か証拠のようなものを作っていたほうがいいのでしょうか?
②前述のとおり2023年6月に夫の口座へ移しており、半年近く経過していますが、今回妻口座へ戻した場合、税務署の判断によっては2回の贈与と取られる可能性はあるのでしょうか?
1)2023年6月 妻⇒夫へ贈与、2)2023年12月 夫⇒妻へ贈与
③今すぐ妻の口座に全額戻してしまえば、贈与ではなくただ預かっていたと判断されるということでしょうか。
今後、仮に税務署からの調査があった場合には、「贈与税がかかると思っていなかったので戻した」ではなく、「一時的に夫の口座で預かっており、その後妻の口座へ戻した」という説明が必要なのでしょうか?

ご連絡ありがとうございます。
追加のご質問に関して以下のとおり回答します。
①特段、証拠などの作成は必要ありませんが、お二人の間でお金の流れを明確にしておきたいということであれば、「〇月〇日の資金移動は贈与ではなく、過誤によるものであったため、両者の合意のもと、全額を速やかに返金するものとする」といった内容の覚書を作成しておかれるとよいと思います。
②贈与は、「あげる人の意思表示」と「もらう人の受諾」の両方があって初めて成立する契約です。
本件ではそもそもお二人の間で贈与の意思はないものと思われますので、贈与税の課税要件を満たしていないと考えます。従って、返金するお金に贈与税が課されることはありません。ご安心ください。
③仮に税務署から問い合わせ等がありましたら、今回のQ&Aを提示して頂ければ大丈夫です。税務署が贈与税を課税する場合には、課税要件である「贈与の事実(あげる人の意思表示ともらう人の受諾)」を税務署が証明しなければなりません。それは不可能ですので、贈与税の課税は困難です。
参考までに、以下のような取り扱い通達がありますので、こちらの「5」をご覧ください。本件はこちらに類似するものと考えます。 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sozoku/640523/01.htm
服部様
細かい質問にまで、親切丁寧にご回答頂きありがとうございました。
このご回答により夫婦ともども気が楽になりました。
本当に感謝の言葉もありません。
今後は、税に関する知識を付けていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
本投稿は、2023年11月27日 10時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。