タンス預金、贈与税
祖母が8年前に口座から現金を引き出し、自分に贈与という形で現金を渡して、そのままタンス預金していましたが、最近、贈与税申告する必要があったことを知りました。しかし贈与税が時効になっているのと、祖母が少し認知症になっているので、贈与されたことを証明できない状況だと思います。その上でタンス預金ををやめて銀行口座に移したいのですが、この場合、祖母の財産として扱われるのでしょうか。また、祖母の財産は昔のものなので、祖母の財産であることを証明できますでしょうか。
税理士の回答
国税OB税理士です。
非常に判断が難しい問題ですね。また、個別性の強い内容ですから個別に税理士さんにお尋ねされたほうがいいと思います。税理士側からも、いろいろと質問をさせて頂いた上での判断になると考えます。

ご回答します。
最近、贈与税申告する必要があったことを知ってご心配になってのお問い合わせですが、贈与者、受贈者以外の方から、そもそもそれが贈与なのか貸付金なのかということを問題にされる可能性もあります。それが問題になる時期は祖母様の遺産分割協議の際にご親族からのご指摘がある場合と相続税申告の際に税務署からの指摘がある場合です。
贈与は贈与者と受贈者間の合意により成立しますので文書が必要なものではありませんが、贈与契約書がない場合お祖母様の意思も現状ではわからない状態ですと、遺産分割協議の結果、それが貸付金であると身内で判断する場合もあり得ます。その場合お祖母様の債権とあなたの債務として整理のうえで、お祖母様の相続財産に債権(貸付金)を計上する場合もあり得ることです。
または、遺産分割協議においてそれが贈与である、ということであれば、贈与税の時効が成立しているので贈与税申告不要ということで整理して相続税申告することになります。なお、この場合の相続税申告は暦年課税の贈与ですので7年間遡りますが8年前の贈与ですので相続税への加算なしで相続税計算することになります。なお税務署が問題視するかは税額の大きさ次第と思われます。
これまでずっとタンスに入れてあったのですから、しばらくそのままにしておいたほうがよろしいかと思います。
祖母にとって一人娘の母が亡くなり、私がその母の一人息子なので相続するのは自分だけの状況ですが、贈与は認められないでしょうか?

ご回答します。
贈与なのか、貸付金なのかについて問題になるタイミングはお祖母様の相続発生後の遺産分割協議のときか、相続税申告が発生した際の税務署からの調査があったときとなります。
想定相続人がおひとりですと、その順番で相続が発生した場合遺産分割協議は必要なくあなたが相続することになりますので、贈与であったのか貸付金であったのかについて問題になる可能性があるのは相続税を申告した際に税務調査で税務署からの指摘があるか否かということになります。
税務調査の対象になるかどうかは、税額次第になります。
また、相続税を申告することがないのであれば、原則として指摘されることはありませんので、そのまま贈与として判断して問題ないでしょう。
タンス預金状態であれ、銀行口座に移すのであれ、想定相続人がおひとりなのであれば原則問題になることはないので、どちらでも大丈夫です。
個別性の強い内容ですから、一概には答えられません。
正しい事実での判断処理が大事です。立証できるかは、次の問題になります。
また、税務調査になるかどうかの判断については、税額は関係はありません。
税務署は、職権で預貯金の異動明細の照会を実施できます。
私自身が、1万件以上の相続税申告のチェックをしてきて、調査対象事案を選定してきましたが、その選定方法についての記載はできませんが、基本的には正しく税法にのっとった形で行ってください。
本投稿は、2024年10月07日 09時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。