贈与税を回避したい
夫婦間で贈与税が発生すると知らず、高額の移動をしてしまいました。
以下が経緯です。
①共働きで一つの口座(夫名義)に10年間貯金をしていました。毎月、お互いの月給から生活費を除いた金額を積み立てて参りました。
②1100万ほど貯まった去年、夫の了解の元、証券会社に妻(私)の名前で振り込みし、合計880万ほど妻名義で株を購入しました。
③現在、株は保有しておりますが、一度も利確しておりません。
夫婦間でも110万以上は贈与になると知り、夫婦で慌てております。
今からでも、贈与とならないようにできることはありますか?
夫から私が借金をしたことにして、金銭消費貸借契約書を夫婦間で結び、すぐに返済を始めれば贈与となりませんか?
先生方、お知恵を御貸しください。
よろしくお願い申し上げます。
税理士の回答
貴殿のケースでは、1100万円が、2人の資金から形成されているところまでは明らかでしょうから、次に、どの割合で貯蓄をしたのか?という事になります。
つまり、今回、いくらと、いくらで分配するのが正解だったのかです。
仮に2対8なら、夫220万円をそのまま合同預金口座に残し、妻880万円分を正しく分配した状態と言えます。
他方、半々なら330万円多く分配しすぎなので、速やかに返金するか、贈与認定して贈与税の申告をするのか、はっきり決めると良いでしょう。
他の割合でも、その要領で計算や判定を2人で行うと良いでしょう。
金銭貸借の方法もダメとは言いませんが、いったん、きれいにリセットするのが、課税庁側に疑いをもたれたり余計な課税を避ける近道だと私的には思います。
坪井先生
御回答をありがとうございます。
御指南頂きまして、少しずつ対処の仕方が見えて来たように思います。
もう少し質問させてください。
共同預金(夫名義の件の口座)の履歴を確認したところ、残高21万までになったあと、私(妻)の実母から700万円を借りた履歴が残っておりました。
(これは3年後の今年から返済する契約で借りたものです。
契約者は私と母で書面を取り交わしました。しかし恥ずかしながら、使い勝手がよいと思い、件の口座に入金させてしまいました。この700万の内、160万を義父母(夫の両親)への住宅購入時の借金返済に充てました。この借金は夫婦二人と夫の両親と取り交わしたもので、夫婦共同での返済です。)
先生にお伺いしたいのは
以下です。
①この700万は私の名前で借りたものなので、この口座に入金した時点では私の資産と考えてよろしいでしょうか?
②共同で返済した義両親への借金は夫婦二人のそれぞれの持分から返済したと考えてよろしいでしょうか?
③夫名義で契約した学資保険、夫名義のローン返済の為の出金は、夫の持分から返済したと考えてよろしいでしょうか?
この三つが認められれば、私の資産から出金したものは殆どなく、
口座内の私の資産は800万近くになりますので、
去年の株式購入のための880万の内、800万は自分の持分から、残り80万は夫からの贈与で無課税と考えられますか?
坪井先生
ご返信頂いた最後の文言に「いったんきれいにリセット」とございますが、
これは、全額夫の口座に返済する、という事でしょうか?
もしくは預金の分配の割合を明らかにし、私が貰い過ぎた分を返済するということでしょうか?
また返済するとして、方法は、株の売却しか方法はありませんか?
実家の姉妹が、契約書を交わし夫への返済金を私に貸してもよいと言っていますが、問題はございますか?
現在自分の口座には預金がなく、株も芳しくないので売らずに夫に返済したいのですが、新たに借金して返済することは可能ですか?
まずは、①と②と③のご質問の回答からします。
①貴殿が借りたのなら、貴殿のお金700万円としてカウントします。
②共同口座で自分夫妻が貯めたお金の中から160万円を貸したのであれば、そのうち夫〇円、妻(貴殿)〇円という具合に計算できていれば良いと思います。
しかし、貴殿が700万円を借りた中から、夫の親に160万円貸したのであれば、貸す段階で二人で貸したとなると、1/2計算なら80万円を貴殿が夫に貸して、合計160万円として、夫の親に貸した内容になると思います。夫の親からの返済金は、貴殿夫婦が半分ずつに受領すべき返済金になります。
③夫契約の保険ですから、夫が支払ったお金としてカウントします。
最後の部分。
110万円以内の差額を贈与として認定するのなら、本日付で夫婦で贈与契約書を作り、計算根拠となる資金の流れメモも保存しておくと良いでしょう。
最後の質問の回答。
今回、贈与認定しないで、夫婦の分配に差額が出た分を返済することにより、貸し借りなしにする意味でリセットという表現を使用しています。
課税判定においては、きちんとできるのにしない方に対しては、綿密な計算方法をとるケースが多いからです。
簡単にいうと、やり取りに自分に都合が良い部分ばかりを切り取った課税判定をし続け、総合的にみると、ぐちゃぐちゃになっていることが多いからです。
貴殿のケースもきちんとする口実をスタートの盾にしていますが、すぐに別の方法ばかりを考えます。これは、相談顧問の税理士をきちんと依頼して対応すべきレベルとも言えます。
このコーナーは、多くの税理士さんが無報酬で時間を割いて回答しているものですから、しっかりとポイントを押さえ簡潔にご質問すべきであり、総合的なご質問や波及していくご質問をたくさんお持ちの場合は、近くの税理士に相談予約して出向いて質問すべきです。
失敗しないために、少し厳しい言い方をしましたが、
〇最後にご質問の回答です。
リセットについては、夫婦の共同口座1100万円が、夫〇円と妻〇円の割合で貯められて、880万円を妻に分配した時、いくら差額があったのかを計算し、差額は返済して分配額をそれぞれが貯めた金額に合わせるという意味です。
差額の返済は、株の売却や他から借りても構いません。
もちろん、前回回答した通り、差額贈与部分が基礎控除以下であり、贈与認定する方法でも良いと思います。
お忙しい中、申し訳ございません。丁寧かつ真摯にご回答頂きありがとうございます。
先生の仰る通り『無料』の言葉に甘えて質問を重ねてしまいました。
重ねてお詫びいたします。
御回答の中の御指摘・御指南は全て良く分かる内容でした。速やかにすべき事に臨みたいと思います。
今回こちらのコーナーを通じて先生に御回答頂いた事で、自分の手に負えない状態が明らかになりました。先生の仰る通り、近くの税理士事務所に赴き、解決に向けて動こうと思います。
ありがとうございました。
本投稿は、2025年05月23日 12時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。