定期貯金口座の名義変更は贈与税の課税対象?
私の祖母(存命)が私の父に対して「ゆうちょ銀行の定期貯金をあなたに生前贈与したいから名義変更(私の祖母→私の父の名義)して欲しい」と話がありました。
口座のお金は500万円程度ですが、名義変更した場合、このお金に対して贈与税は課税されるのでしょうか?
また課税されるのであれば節税する方法をご教授ください。
ネットで調べましたが課税される、されないの両方の考えがありはっきりしたことがわかりませんでした。
以上、何卒ご回答よろしくお願いいたします。
税理士の回答

贈与の合意(あげる、もらう)があり、名義変更した場合は、贈与税がかかります。
年間110万円以下の贈与であれば、無税です。
暦年贈与の基礎控除額110万円を利用されたら良いと考えます。
しかし、一度に贈与をお考えであれば、
「相続時精算課税」を選択されたら良いと考えます。
No.4103 相続時精算課税の選択
[平成29年4月1日現在法令等]
1 制度の概要
相続時精算課税の制度とは、原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。この制度を選択する場合には、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。
なお、この制度を選択すると、その選択に係る贈与者から贈与を受ける財産については、その選択をした年分以降全てこの制度が適用され、「暦年課税(注)」へ変更することはできません。
また、この制度の贈与者である父母又は祖父母が亡くなった時の相続税の計算上、相続財産の価額にこの制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の時価)を加算して相続税額を計算します。具体的な贈与税及び相続税の計算については「4 税額の計算」をご覧ください。
このように、相続時精算課税の制度は、贈与税・相続税を通じた課税が行われる制度です。
(注) 「暦年課税」については、「4402 贈与税がかかる場合」をご覧ください。
2 適用対象者
贈与者は贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母、受贈者は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者のうち、贈与者の直系卑属(子や孫)である推定相続人又は孫とされています。
3 適用対象財産等
贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。
4 税額の計算
(1) 贈与税額の計算
相続時精算課税の適用を受ける贈与財産については、その選択をした年以後、相続時精算課税に係る贈与者以外の者からの贈与財産と区分して、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額を基に贈与税額を計算します。
その贈与税の額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額:2,500万円。ただし、前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。
なお、相続時精算課税を選択した受贈者が、相続時精算課税に係る贈与者以外の者から贈与を受けた財産については、その贈与財産の価額の合計額から暦年課税の基礎控除額110万円を控除し、贈与税の税率を適用し贈与税額を計算します。
(注) 相続時精算課税に係る贈与税額を計算する際には、暦年課税の基礎控除額110万円を控除することはできませんので、贈与を受けた財産が110万円以下であっても贈与税の申告をする必要があります。
(2) 相続税額の計算
相続時精算課税を選択した者に係る相続税額は、相続時精算課税に係る贈与者が亡くなった時に、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続や遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。
その際、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額については、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。
なお、相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額とされています。
本投稿は、2018年08月01日 20時00分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。