節税対策としての贈与税と相続税の分岐点
相続税課税総額125000000、法定相続人が子供3人、孫5人の場合、贈与をすることで贈与税を支払って贈与税対策をした場合(現金のみ)、贈与税と相続税の分岐点は、何円くらいになりますか?
税理士の回答
相続税課税総額(基礎控除前)1億2500万円とするとおおむね相続税率は10%です。(お孫様(代襲相続人)5人が何人のお子様の子かにもよりますのでおおむねとさせていただきます。)
よって、お一人につき贈与税率10%である年間310万円以内の贈与であればよいことになります。(贈与税がかからない110万円以内を数年間にわたって贈与することも可能です。)
ただし、あくまでも概算ですので詳細は相続税分野に強い税理士にシミュレーション(有料)してもらうことをおすすめします。
相続税の負担率は約10%ですが、贈与税との比較をする場合には適用される税率で比較しないといけません。その場合、適用される相続税の税率は15%です。したがって贈与により減額した財産の15%が相続税の減額効果になります。贈与する人数にもよるのですが相続開始前3年以内の相続人に対する贈与財産の加算の規定の適用があることを考慮すれば孫5人を贈与の対象と仮定します。
例えば5人の孫に600万円ずつ贈与した場合には一人当たりの贈与税は(600万円-110万円)×30%-65万円=82万円(一般税率を適用と仮定)になりますので5人で82万円×5人=410万円となります。一方、相続税は3000万円×15%=450万円の減額となります。このあたりが1年で実行する場合の分岐点ではあるのですが、被相続人の容態にもよるのでしょうが対策効果を高めるには複数年に分けて実行する必要があり、上記の金額を2年にわけると一人当たりの贈与税は(300万円-110万円)×10%=19万円になりますので5人で19万円×5人×2年=190万円となり、効果はよりあがります。場合によっては相続人の配偶者もいれると効果はより高くなります。
本投稿は、2020年05月26日 16時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。