遺産分割協議書への債務の書き方
光熱費や電話代などの金額の小さいこまごました債務が20件ほどあり、相続人A、Bはうち各1件、その他を相続人Cがすでに支払っています。
Webなどで記載例を見ると「被相続人の債務を全て負担する」のような書き方が多いので、参考にして「債務●●は相続人A、債務〇〇は相続人B、それ以外の債務は相続人Cが負担する」と書こうかと思っていましたが、把握していない債務が出てきた場合はどうなるのか心配になりました。こういった書き方をした場合、相続人Cがその他の債務も負担しなければならなくなるのでしょうか。
何かよい書き方があればご教示いただけないでしょうか。やはり列挙するしかないでしょうか。
税理士の回答

債権者保護の観点から、分割協議書で決めても、他の相続人が負担する義務があるため、細かく記載・列挙しないのが一般的と思います。

債務は、法定相続割合で引き受けることになります。
ただ、遺産分割、遺言等で指定があり、その通り引き受ければ、債権者は誰が払ってくれても同じなので実際には影響無し。
相続税申告される際の税務署も特に問わない。
仮に債権者に払わない場合は、法定相続割合で請求することができますね。
というのが法的な理解。
そんな面倒は生じさせたくないため、その他は○○が引き受けるとするのが実務の知恵ですね。

被相続人が負担すべき債務は相続開始と同時に共同相続人に相続分に応じて引き継がれますので、民法上は遺産分割の対象にはなりません。
しかし、相続税法では、被相続人の債務について債務控除の規定を設けており、「その者の負担に属する金額」については課税価格から控除することとしています(相続税法13条)。
この場合の「その者の負担に属する金額」とは、共同相続人の間で合意した負担額となりますので、共同相続人全員で負担者が決定されたときは、民法の考え方はともかくとして相続税の計算上は債務控除の対象となります。
従って、債務に関して負担者が決定されたもの(複数の相続人が別々の債務を負担するもの)を各人が債務控除する場合には、遺産分割協議書に個々に列挙して記載する必要があります。
遺産分割協議書に記載のない(細かく列挙されていない)ものは原則に戻って相続人全員が相続分で負担・債務控除することになりますので、他にも債務がありそうな場合には、遺産分割協議書の記載方法も慎重にされた方が宜しいと考えます。
ご回答をいただきありがとうございました。
それぞれのご回答で悩みますが、安全策をとって、申告時の債務を列記し、その他として記入のない債務の扱いについて記載しようと思います。
詳しく書いていただきました服部先生をベストアンサーとさせていただきます。
富樫先生、相田先生ともにありがとうございました。
本投稿は、2018年08月02日 23時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。