代償分割に充てる夫婦間の税金
夫の相続の代償分割の金額を合計3,000万円程支払わないといけません。
自営の会社を解散させて、夫の退職金1,000万と私の退職金500万円、夫の貯金500万円と私の貯金1,000万円を合わせて支払う場合、税金はどうなりますか?
税金が発生する場合、支払わなくてすむ方法はありますか?
税理士の回答

ご相談のケースで想定される税金は相続税と所得税・住民税と思われます。
まず、相続税については、「相続で受け取る財産の合計額」から「代償金として支払う金額と債務葬式費用」を差し引いた金額が相続税の課税対象になります。
しかし、奥様に関しては法定相続割合(1/2)と1億6000万円のいずれか大きい額までは相続税が課税されない特例(配偶者の税額軽減特例)があります。従って、その特例の金額以下であれば相続税の心配はありません。ただし、その場合であっても相続税の申告書の提出は必要になりますのでご留意ください。
次に、所得税・住民税は奥様が会社から受け取る退職金が課税対象になります。
ただし、退職金に関しては勤続20年以下の場合には「40万円×勤続年数」で計算した金額の退職所得控除額という、収入から差し引けるものがあります。
奥様の勤続年数が分かりませんが、勤続年数が13年以上ある場合には退職所得控除額が500万円を超えますので、退職金(500万円)に所得税・住民税がかかることはないことになります。
下記サイトをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm
ありがとうございます。
あと、妻から夫に対する贈与税等はかからないのでしょうか?夫の相続に使われるものなので…。

ご質問の内容を再確認させてください。
「ご主人が亡くなって相続人である奥様が他の相続人に代償金を支払う」、とご質問の文章からは読み取れたのですが、この理解で宜しかったでしょうか。
私の認識が違う場合は、亡くなった方はどなたで、相続人はどなたなのか、正確なところをお知らせ頂けたら幸いです。
言葉足らずで申し訳ありません。
主人の父が亡くなり、相続人は主人と主人の妹で、妹に代償分割として支払わなくてはなりません。
義父は、土地以外の財産はありません。

ご連絡ありがとうございます。
私の理解した内容と事実関係が違っていましたね。前述の回答を以下の通り訂正させて頂きますのでご了承ください。
まず、ご主人の退職金と奥様の退職金には所得税・住民税がかかりますが、前述のとおり勤続年数に応じた「退職職控除額」を差し引くことができます。
次に、ご主人の貯金に関しては税の問題は生じませんが、奥様の退職金と奥様の貯金をご主人が負担すべき代償金に充てますと、奥様からご主人へ1,500万円の贈与があったとみなされてご主人に贈与税が課されることになります。
ご主人の贈与税を回避するためには、奥様が出される1,500万円に関しては贈与ではなく貸し付けとすることが必要です。
両者の間で金銭消費貸借契約書を作成して、返済期限と返済方法を明記し、契約書に記載した方法でご主人から返済をして頂くようにしてください。
大変参考になりました。
誠にありがとうございました。
本投稿は、2019年09月06日 07時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。