「特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等」に該当するかどうか?
妻が100%の株式を所有する会社に自宅の一部(面積割で約10%)を賃貸しております。会社は不動産賃貸業を営み、賃貸しているのは、その事務所(本社機能)です。
会社とは賃貸借契約を締結し、相当な賃料を受領し、青色申告しております。
したがって
「相続開始の直前における利用区分」→「被相続人等の事業の用に供されていた宅地等」→「貸付事業用の宅地等」→「一定の法人に貸付けられ、その法人の事業(貸付事業を除く)用の宅地等」→「特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等」に該当し、400㎡まで80%の減額が可能と判断できると思いますが、いかがでしょうか?
貸付部分は、あくまでも会社の本社部門に対するものであり、法の趣旨からすると、転貸などの「貸付事業」に該当しないと考えますが、いかがでしょうか?
税理士の回答
80%減額されるのは、法人の事業が不動産貸付業等でない場合です。
ご質問のケースは、200㎡まで50%の対象です。
該当部分が貸付事業ではなくても(本社業務)、業として貸付事業を行っている会社への賃貸であれば、「貸付事業用宅地等」の対象になるのですね。有難うございました。
追加での質問です。
①妻が個人事業主として「不動産貸付業」を行っている場合に、事業割合で自宅の固定資産税、建物の償却費等を原価算入している場合には、当該面積部分は、同様に「貸付事業宅地等」と判断されるのでしょうか?
②地主さんが自宅以外にアパートを所有し、アパート経営業務を自宅で行っている場合の自宅部分については「特定居住用宅地等」に該当すると判断してよろしいのでしょうか?
以上よろしくお願い申し上げます。
1の質問
質問者が所有する自宅の一部を、奥様から家賃をもらって奥様に貸している場合でしょうか?
そうであれば、貸付事業用になります。
2の質問
地主さんが自宅の一部を、自分に貸しているのでしょうか?
自宅の一部を事務所にして、何らかの事業を行っている場合。
事務所部分を自分が自分に有料で貸すことはないのでは?
貸していなければ貸付事業用にはなりません。
鎌田 先生
早速のご回答有難うございます。
再度質問させていただきます。
1の質問
家賃をもらっておりませんが、妻の青色申告(妻が所有するアパート等の賃貸所得)上、自宅のデスクのある部分(事業割合分)の建物の減価償却費や固定資産税額を経費処理している場合です。
2.地主さんはアパート経営ですので、その管理・計算・税金の申告等を自宅で行っております。
したがって、そのデスク回り部分(事業割合)に係る、自宅建物の固定資産税、減価償却費を
確定申告時に経費処理している場合です。
ご教授よろしくお願いいたします。
最初の事例、同族会社の事業用の場合には「事業内容」が関係してきます。
しかし、貸付事業用の場合には、貸付先の事業内容は要件ではありません。
所有者が貸付けしているかどうか、賃貸借かどうかという点がポイントになります。
1と2のいずれの場合でも、奥様と地主さんの、つまり、借りている人の事業内容ではありません。
自宅の所有者と自宅を借りている人が、自宅を賃貸借しているかどうかによります。
家賃の授受があるかどうかで、無ければ貸付事業用に該当しません。
鎌田先生
早速のご回答有難うございました。
「賃貸借」がポイントなんですね。家賃の収受がなければ、貸付事業には該当しないと言うことでスッキリいたしました。
自宅の一部を使い、不動産賃貸業の事務所を開設し、事業割合で自宅の減価償却費等を確定申告で計上ていても、その他の要件を満たせば、小規模宅地等の減額(特定居住用宅地等による80%減額)が取れるということですね。有難うございました。
自宅の一部に事務所を開設している場合、居住用になるかどうかは別の問題です。
規模や程度にもよると思いますが、一室を事務所としているケースでは、居住用にできない場合があると考えれらます。
この場合は、居住用と貸付事業用のいずれにも該当しないことになります。
なお、例えば自宅の書斎で賃貸業の仕事をしているようなケースでは、居住用に含まれると考えられます。
鎌田先生
早速有難うございます。
もちろん、個別的判断になるとは思いますが、自宅のリビングの一部(建物床面積の5~10%程度)であればいかがでしょうか?
広さの基準はないと思いますが、5~10%程度とはかなり広いようです。
しかし、リビングの一部、ことさらに間仕切り等が無いケースでは、常時事務所として使用していることはないでしょうから、居住用で問題ないと考えられます。
鎌田先生
何度も何度も有難うございました。
節税に役立てることが出来そうです。
大変ありがとうございました。
本投稿は、2019年05月09日 15時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。