会社株式の相続税評価額と、会社所有の土地建物の相続税評価額について。
父は生前、父自身が総株式を所有する不動産経営会社を運営しておりました。
株式の相続に際し、
相続税法上のルールに依って相続する場合、
財産基本通達を元に算出した会社所有の土地建物や負債を
類似業種批准価額と純資産価格を併用して、
会社株式の相続税評価額に算出される。
その相続税評価額を元に相続する。というのは理解出来ております。
ただ、
「仮に全株式を相続した場合、相続時直後に、
会社所有の土地建物を売却しようとした場合は、
財産基本通達を元に算出した土地建物の「相続税評価額」が
相続時直後に現金化できる価格と見なす」
という事もまた、財産基本通達を元にした相続税法上の考え方である。
との理解で問題ないのでしょうか?
遺産分割のルールで時価で評価する方法もあるというのも理解しておりますが、
「時価の評価に時間と費用がかかる」との税理士の意見を受け、
以上の点について相続税法上のご意見を頂けたらとおもいます。
税理士の回答
相続開始時における取引相場のない株式の評価については財産評価通達に基づき類似業種比準価額、純資産価額を基礎に算定していくというのはご理解の通りです。株価算定のための土地、建物の評価については相続税法における「時価」であり、その時価は相続税法の財産評価通達に基づいて評価を行います。仮に相続時直後に会社所有の土地建物を売却したとしてもそれは実勢価額であって、相続税法の時価ではありません。相続税の評価通達に基づく評価は課税の公平性と評価の簡便性を保持するために行われています。
弁護士の意見に多いのですが、遺産分割の見地で行うと換価価値に重きが置かれます。税の問題ではなくてどれだけの価値があるか(M&A価格)ということから遺産分割がもめてきます。しかし、会社の資産を売却すれば事業が成り立たなくなり、現実味の薄い仮定でもあります。したがって、経験則ではありますが、遺産分割においてはそれぞれが歩み寄る姿勢がなければ、無駄な費用と時間を要するものとお考え下さい。
本投稿は、2020年04月23日 14時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。