国外送金に関するお尋ねへの対応
私には外国籍の兄がいます。兄は数年前に日本国籍を離れ、海外に居住し、日本の銀口座もすべて解約しています。去年の3月、父親が死去しました。兄と一緒に父の財産を処理し、相続しました。兄の相続分は日本にいる間持ち歩くのは危険だから預かってほしいといわれたので、私の銀行口座に入金しておいて、兄が外国に帰る前に私の口座から兄の海外の口座に送金したわけです。1年半ぐらいたってから税務署から国外送金に関するお尋ねという文書が届きました。国外送金の内容を尋ねてきたのです。前述のとおり回答していいのでしょうか。今になってから、相続税や贈与税を取られるのでしょうか。税務署からの文書にどのように対応したらいいのか教えてください。ちなみに、父親の財産は現金が約3000万、マンションの評価額は約900万で、相続人は私と兄の2人です。マンションは去年の4月に売却し、代金も兄と分けました。よろしくお願いします。
税理士の回答

お父様のご遺産にマンションがあったとのことですので、相続登記を行うために「遺産分割協議書」を作られていると思います。その協議書にお兄様が相続された現金預金の記載があれば、その協議書のコピーをお尋ね書に添付して、状況説明を付記して回答して頂ければ宜しいと思います。
また、マンションを昨年の4月に売却とのことですが、こちらの確定申告はお済みでしょうか(今年の3月15日が申告期限)。売却益がでるようでしたら所得税の確定申告が必要ですのでご留意ください。
以上、ご参考なれば幸いです。
早速のご回答ありがとうございます。兄は海外に在住のため、すぐに連絡できませんが、私は、遺産分割協議書を作った記憶がありません。また、所得税の申告も行っておりません。もし、申告漏れが指摘されたら、税金は日本にいる私が全額を支払わなくてはいけませんか。ちなみに、マンションは2500万で売却し、私と兄で半分ずつ分けました。もし、よろしければ今後どのようにしたらいいのか、再度お教えください。

ご連絡ありがとうございます。
遺産分割協議書を作られていないとなると法定相続で登記されたのかもしれませんね。
お父様の預貯金の相続に関する遺産分割協議書があれば、税務署への説明資料としてベストではありましたが、今回のお尋ね書には相続の経緯をそのまま記して提出なさるのが宜しいと思います。
マンションの売却に関しては、「売却益」が出る場合に確定申告が必要になります。2500万円で売却とのことですが、売却されたマンションはお父様が「いつ」「いくらで」購入されたものでしょうか。
「いくらで」は「土地代がいくらで、建物代がいくらか」まで分かると有難いです。
この条件が分かると、確定申告が必要か否か概ね判断できますので、お知らせ頂けたら幸いです。
宜しくお願いします。
早速のご回答ありがとうございます。亡父が購入した時の契約書を私が持っていましたので、お知らせします。父は、平成10年6月30日に不動産業者を媒介して2950万で購入したようです。土地代がいくらで、建物代がいくらまではわかりません。この条件でお教えいただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

ご連絡ありがとうございます。
2950万円がマンションの購入原価になるのですが、建物に関しては所有期間分、価値が減少すると考え、所有されていた17年間の建物の減価償却費の累計額を控除した価額が「取得費」となります。
この17年間分の減価償却費累計額を購入価額2950万円から控除した価額が2500万円以上ありますと、売却益は無いこととなりますので確定申告は不要となります。
取得費以外に、売却時の仲介手数料等の譲渡費用も売却益の計算上控除できますので、できれば購入時と売却時の関係資料を揃えて、専門家にご相談されるのが宜しいと思います。
ご参考になれば幸いです。

前述の回答に補足致します。
売却益(譲渡所得)は次にように計算しますのでご確認ください。
・譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用
・収入金額=売却価額+買主から受取る固定資産税の精算金
・取得費=土地の購入価額+(建物の購入価額-建物の減価償却費累計額)
・譲渡費用=譲渡に要した諸費用(仲介手数料、契約書の収入印紙等)
以上、宜しくお願いします。
ありがとうございます。私は素人なので減価償却費がよくわかりません。建物の価値が下がることは理解できますが、その減価償却費累計額というのは、どのように計算するのでしょうか。また、マンションなので、土地の購入価額もよくわかりません。そして、仲介手数料ですが、記憶によれば確か業者に70万円ほど支払ったのですが、領収書を紛失してしまいました。これも控除できますか。何度もすみません。よろしくお願いします。

ご連絡ありがとうございます。
建物の取得費の計算につきましては下記サイトをご参照ください。
減価償却のあらましも載っております。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3261.htm
これから外出してしまいますので、残った部分は改めてご回答致します。ご容赦ください。
宜しくお願いします。

昨日は説明途中で失礼しました。
減価償却費に関して簡単にご説明します。
マンション(鉄筋コンクリート造りの住宅)の場合の耐用年数は47年ですが、事業用でない場合には1.5倍の70年で償却することになります。これは「建物」に関する減価償却ですので、購入時の総額を土地代と建物代に分ける必要があります。
(売買契約書から確認、もし消費税の記載があればその金額から建物代が逆算できます。)
仮に購入されたマンションの「建物」代金が2000万円だったとしましょう。
その場合の減価償却費のイメージは次のようになります。(あくまでも概算値です。)
・1年当たりの減価償却費:2000万円÷70年=28.5万円
・平成10年~27年の減価償却費累計額:28.5万円×17年=484.5万円
従って、売却時の建物の未償却残高(取得費)は 2000万円-484.5万円=1515.5万円
となります。
上記の例の場合、土地の取得費が950万円、建物の取得費が1515.5万円となり、
取得費合計は2465.5万円となります。
また、売却時の仲介手数料は譲渡費用となりますので控除することができます。
上記の例で譲渡益を計算しますと
2500万円-2456.5万円-70万円=△26.5万円 となります。
つまり、売却損失になりますので、この場合には確定申告は必要ないことになります。
ポイントは、購入時の建物価額になります。
以上、ご参考になれば幸いです。
具体的な数値で減価償却費について教えていただき、ありがとうございました。マンションの場合、いくらが土地代でいくらが建物代かわかりません。どのように計算するのでしょうか。また、もし、所得税がす発生る場合、どの税区分(例えば一時所得、雑所得など)になるのか、税金の計算式はどのようになるのか、控除額があるかも教えてください。税金は私が全額支払わなくてはいけないのかも教えてください。教えていただくと新たな疑問がわいてきます。お時間のある時によろしくお願いします。

ご連絡ありがとうございます。
建物の取得価額が不明な場合、下記サイトの「標準的な建築価額表」を基に建物価額を算定することが認められていますので、こちらの表をご利用ください。下記サイトの「1」から建築単価を確認して、「2」の計算式で建物価額を計算します。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/kisairei/joto/pdf/014.pdf
譲渡利益が出る場合は「分離課税」の「譲渡所得」となり、税金は次の算式で計算します。
・譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用
・税金=譲渡所得×税率
税率は、所得税・復興税が合わせて15.315%、住民税が5%となります。
納税は、相談者様とお兄様とで所有権の持分に応じて負担することになります。
以上、宜しくお願いします。
本投稿は、2016年11月23日 12時59分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。