売上が1千万を超えそうですが、何をすればいいですか
漫画家を5年やっています。
去年までは印税1千万以下で、青色申告も自分でやっていました。
今年の印税が1千万円を超えそうなことが先日わかりました。
(電子書籍の印税なので、明細が来るまでどれほど売れたか一切わかりません。12月末までの分の明細は、来年2月頭に判明します。現状の売れ行きなら、恐らく1千万は超えます)
1千万円を超えたら消費税を納めることになると思うのですが、いつの分の売上に対する消費税を、いつ払うことになるのでしょうか。
また、インボイス登録をしていないのですが、まさか1千万円を超える日が来るとは思わず、何をどうしていいかわかりません。
今が一番売れているので、来年は1千万を超えないかもしれません。インボイス登録はすべきでしょうか。
登録は税理士さんがしてくれるものでしょうか。
税理士の先生を早急に探したいとは思うのですが、ひとまずこれらの疑問を解消したいです。
よろしくお願いします。
税理士の回答
① 結論
・今年の印税が初めて1,000万円を超えても、その「今年分」にすぐ消費税を払うことにはなりません。
・原則は、「2年前の売上」が1,000万円を超えた年から消費税の納税義務が始まるイメージです。
・インボイス登録は、印税メインで経費が少ない漫画家の方には負担が重くなりやすいので、今すぐ登録は慎重にすべきです。
② 理由
消費税を払うかどうかは、
→ 「その年の売上」ではなく、前々年の売上(基準期間)で決まるため。
例:
今年の売上が初めて1,000万円超
→ 原則、2年後の年から課税事業者(消費税の対象)
→ その年分の消費税を、さらに翌年3月の確定申告で納付という流れです。
インボイス登録をすると、
→ たとえ本来は免税事業者でも、自分から「消費税を払う側」に回ることになります。
→ 印税ビジネスは仕入や経費が少なめなことが多く、売上の10%近い消費税を丸々負担しやすいため、登録すると手取りが大きく減るケースが多いです。
取引先(出版社など)から
「インボイス登録してほしい」
と正式に言われていないなら、登録を急ぐメリットは小さいと考えてよいです。
③ 実務上どう動くか
1)自分が「いつから課税事業者になる可能性があるか」を整理
去年・一昨年の事業の売上(印税等)が、各年とも 1,000万円以下なら
→今年も来年も原則「免税事業者」です。
今年の売上が初めて1,000万円を超える場合
→ 原則、2年後の年から消費税の申告・納税が始まるイメージです。
※ 年の途中の売上や給料が極端に膨らむと、1年前倒しで課税事業者になる特別ルールもありますが、これは個別に数字を見て判断する必要があります。売上が急に大きく伸びたら、そのタイミングで税理士に確認しておくのが安全です。
2)今からやっておくと良いこと
売上と経費をざっくり分けて管理しておく
→ 「印税などの売上」
→ 「資料代・アシスタント費・家賃・通信費など経費」
を分けて記録しておくと、将来消費税が始まるときもスムーズです。
明細が2月に届くとのことなので、
→ 今年分の最終的な売上金額が出たら、
「今年はいくらだったか(1,000万円をどの程度超えたか)」
を必ずメモしておき、その数字をもとに税理士に相談してください。
3)インボイス登録をどう考えるか
現時点で
・取引先からインボイス登録を強く求められていない
・来年以降も毎年1,000万円超が続くか分からない
という状況なら、
→ 今すぐ登録する必要性は低いと考えてよいです。
将来、
・出版社などから「インボイス登録が条件」と言われた
・売上が安定して大きくなり、消費税を払っても十分利益が残る
と判断できるタイミングで、
→ 税理士と相談のうえで登録する方が安全です。
4)登録は税理士がやるのか
インボイス登録(適格請求書発行事業者の登録申請)は、
→ ご自身で e-Tax や紙で申請することもできますし、
→ 税理士に依頼して手続きしてもらうことも可能です(その場合は報酬がかかる場合があります)。
いずれにせよ、「登録するかどうかの判断」そのものは相談者様が決める必要があり、その判断材料を整理するのが税理士の役割です。
本投稿は、2025年11月27日 18時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







