個人間のお金の貸し借りについて
友人に対し3年ほど前に、1000万円を貸しました。利息は年8%で、いつまで貸すといったような期限は特に決めておりません。この状態での質問です。
質問①
当初から利息の支払いが難しいかもしれないとのことで、手渡しで元本を数回受け取っております。令和8年6月時点で400万返してもらっており、現在の元本(=貸している金額)は600万です。
この状態で、私もしくは友人に何らかの税金は発生する可能性はありますか?あるとすればどんなものか知りたいです。
また、そうなった場合、回避するためのご相談が可能かも知りたいです。
質問②
貸した当初の借用書はありますが、作成した当時知識がなく収入印紙が必要であることを最近知りました。現在手元には収入印紙が無い借用書がありますが、たとえば税務調査などが行われた場合、この借用書は根拠となりますか?また、今からできる対策があれば知りたいです。
質問③
本件の元本はおおよそになりますが、 200万を振込、800万を手渡しで行いました。貸し借りがおわり例えば残りの600万を私の口座に振り込んだ場合、税務署から怪しまれて後から謎に税金が発生したりする可能性はありますか?あるとすればそれを回避する術も知りたいです。
質問④
個人間で一回の貸し借りなら事業にならないと聞きました。(知り合いの弁護士より)私としては、この一回の解釈は本件にも当てはまっている認識ですが、例えば「継続的」で「事業に当てはまる」と判断される場合はどのような部分を見られるのでしょうか?
以上、長くなってしまいましたが、ご回答よろしくお願いいたします。
税理士の回答
荒川直宙
友人への1,000万円の貸付について、税金や借用書の効力、税務署からの調査リスクなど、ご不安な点について税理士の視点から分かりやすく解説いたします。
結論から申し上げますと、元本の返済を受けるだけであれば税金は一切かかりません。ただし、利息の扱いや資金移動について、押さえておくべきポイントがございます。
【1】質問①:税金が発生する可能性と回避策について
① 元本と利息の税金
・元本返済:過去に貸したお金が戻るだけですので、所得税や贈与税はかかりません。
・利息受取:今後利息を受け取った場合は「雑所得」となります(※年末調整を受けている給与所得者で、副業等の雑所得が年間20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です)。
② 利息を免除・変更する場合のリスクと対応
実務上は「①既発生の未払利息」と「②今後の利息」を分けて考えます。
・今後の利息を無利息にする変更:通常問題になりません。
・既発生の未払利息の免除:原則として相続税法第8条(みなし贈与)により、免除額が他の贈与と合わせて年間110万円を超えると友人に贈与税が課されるリスクがあります。ただし、友人が資力を喪失し返済困難な場合、その返済困難な部分については同条ただし書により非課税とされます。免除する場合は返済困難な事情(収入状況等)を記録に残しておくと安全です。
【2】質問②:印紙のない借用書の証拠能力と対策
① 借用書の証拠能力
収入印紙がなくても借用書としての法律上の効力や証拠能力は一切変わりません。裁判や税務調査でも十分な証拠となります。
② 印紙税のルール
友人が署名してあなたに提出した形式(差入れ形式)であれば、印紙税の納税義務者は借主である「友人」です。あなた自身が今から対応すべきことは基本的にありません。
(※覚書等を作成する場合、条件変更契約書なら印紙税額は200円ですが、「残元本を改めて貸し付ける」といった準消費貸借の形式にすると1万円になりますのでご注意ください。)
【3】質問③:口座への600万円振込で税務署に疑われないための対策
まとまった入金があると、税務署から「売上」や「贈与」と疑われる可能性があります。確認(おたずね)が来た際に即座に証明できるよう、以下をセットで保管してください。
・当時の借用書(原本)
・貸付時の出金履歴(800万引き出し、200万振込の記録)
・返済の記録(手渡しの受領書やメモ、振込履歴)
これらが揃っていれば、税金を課されない根拠として十分に説明できます。
【4】質問④:「継続的」「事業」と判断される基準
知人弁護士様のおっしゃる通り、今回の1回限りの貸し付けであれば「事業」には該当しません。複数の相手に対して何度も繰り返し貸し付けを行っている場合などに事業と判定されます。
【5】まとめ
元本600万円の回収自体に税金はかかりません。「借用書・出金履歴・返済記録」の手元保管と、利息の取り決め(既発生と今後の区分・背景の記録)を行っておけば安心です。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
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本投稿は、2026年09月27日 07時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







