代表取締役の賞与について
昨年6月に法人成りした会社の代表取締役の賞与について教えてください。
現在代表取締役1人とアルバイト1人が在籍しているのですが、8月に代表取締役に対しても賞与5万を発生させたいと思っています。
その場合、役員賞与となるので、税務上は損金とはならない、という事で合っていますでしょうか?
また、もしその場合、損金とするために「事前確定届出給与」を提出しなくてはいけないとの事ですが、3月決算の場合まだ提出期限に間に合うのでしょうか?
初歩的な質問で申し訳ありません。日が浅いのでわからない点が多く、、ご教授頂けますと幸いです。
税理士の回答

前段については、ご認識の通り、役員賞与は損金算入できません。
また、後段の事前確定届出給与については、3月決算の会社ですと、2020年3月期分は、2019年5月の株主総会から1か月以内ですので、既に提出期限は過ぎています。
ゆえに、最短で役員への賞与の損金算入は、2021年3月期決算にかかる分を2020年の5月の株主総会の決議に基づいて提出することになります。
丁寧で分かりやすいご解答ありがとうございます。
「最短で役員への賞与の損金算入は、2021年3月期決算にかかる分を2020年の5月の株主総会の決議に基づいて提出することになります。」ということは、例えば今期発生させるつもりだった役員賞与はもう損金とする手続きは間に合わないので賞与なしとし、来期から手続きをした上で役員賞与を…というほうがよいということでしょうか?

役員報酬等が損金とされるには、①定時同額給与②事前確定届出給与③業績連動給与のいずれかによります。(不相当に高額な部分は損金に該当しません)「③」のケースは中小企業の場合、該当するケースがほとんどありません。
ご理解のとおり、役員賞与に関して「②の事前確定届出給与」に該当しない場合には、法人の損金となりません。
役員賞与は「事前確定届出給与」として届けることにより、「損金」となります。
この「事前確定届出給与」の提出期限は、次のいずれか早い日となっております。
1 株主総会等の決議の日から1か月以内
2 その会計期間の開始の日から4か月を経過する日
となっており、大概は「1」の株主総会等の決議の日から1か月以内の方が早くなります。
そこで、もしも今回8月で役員賞与を支給した場合、役員の給与課税はもちろんのこと、法人の損金には計上できないこととなります。(法人税申告書第四表で、所得に加算します。)
まだ、取締役会で役員賞与の支給を決めておらず、また、法人の損金とならない場合には支給しないのであれば、来年以降の役員賞与の支給をご検討されることをお勧めいたします。
2020年3月決算に係る2020年の株主総会に、次期(2021年3月期)の役員賞与の支給を決めるとともに、届出書を提出されることをお勧めします。
なお、株主総会の日は、会社によって異なりますが、多くは定款で決算後2か月以内(3月決算の場合、5月)と決められていると思います。
国税庁HPの「役員給与」に関する説明を参考までに添付します。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5211.htm
丁寧なご解答感謝致します。
恐縮ながらもう一点質問させていただきたいのですが、代表取締役に賞与ではなく特別手当てとして5万円を支給する、ということは可能なのでしょうか?
損金不算入ということは承知の上です。社会保険料や厚生年金の控除の点でメリットとなるのでしょうか?またそれは違法ではないのでしょうか?

特別手当金の支給は、税法上特に問題はありません。ただし、損金不算入・賞与課税となります。
ただし、会社法上、正当な手続き(臨時株主総会・取締役等)の決議は必要と思われます。(これにより違法性は排除されます。)
なお、社会保険関係は、社会労務士先生の所掌のため、詳細は不明ですが、「手当金」も社会保険料金の査定上含まれると思われます。
本投稿は、2019年08月20日 01時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。