高級腕時計 資産計上
法人でロレックス等の高級腕時計を購入した際の経理方法について相談です。
具体的には今年に高級腕時計を2本購入(計700万円)しましたので、法人の経理として「器具備品」勘定に計上しています。
当該腕時計に係る減価償却費は税務調査の際のリスクを考慮して一切計上していないのですが、そもそも資産計上自体認められないのでしょうか?
当方建設業を営んでおり、腕時計は事業とは関係ないのですが、会社のお金で買ったので資産計上しようと思った次第です。
法人が資産計上して良い物の範囲に今回のような高級腕時計も含まれのでしょうか?
税理士の回答

高級腕時計を法人が資産として計上することは、購入した腕時計が事業に直接関連し、売上に寄与するなどの具体的なビジネス上の必要性が示されない限り、税務署から経費として認められる可能性は低く、資産計上自体が否認されるリスクが高いです。
先の先生のご意見のとおり、法人が資産計上する対象の範囲に高級腕時計も含むのは(高級外車等と比較して)極めて困難です。近年美術品でも比較的高額な商品の損金算入による節税対策が取りやすくなりました。確かにロレックス等の高給時計は日常使いもできる美術品とも言えますが、美術品についていえば「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」は、その取得価額が100万円以上であっても減価償却資産と取り扱うこととされていますので条件的には相当です。ですがご自身で使用する場合は美術品と言い切れないため、減価償却の対象資産として損金算入することはできません。高級時計を美術品とする場合は、(それなりの金銭的価値はもちろん)ロビーやホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾や展示用として陳列されるものであることや、移設せず当該用途にのみ使用されることが明らかなものであることなどの措置を取る必要がありますので条件はかなり厳しいです。
現在の状況で税務調査があった場合、代表者に対する貸付金等として課税上の弊害が生じる可能性が高いと考えます。
高級ブランド腕時計のレンタルできるサブスクリプションサービスもあり、こちらに登録して利用事績と賃料収入をアピールすれば事業用資産として償却も可能ですが、昨今の事件のようにリスクが大きいと思われます。
高級時計は消耗品ですが作業服など絶対的に必要な服飾ではないため、消耗品費に計上できず、役員や社員全員の福利に供するものでもないため、福利厚生費に計上することもできません。
ロレックスは人気モデルであれば、複数年使用することによってプレミアムが付き、価値が上がる場合もあるため、転売を視野に取得すると売却時にプレミア利益が入ります(生活用動産ではないので確定申告が必要となりますが)。経理上様々な勘定項目等を駆使して、経費で購入することを考えるよりも、投資目的で自分が良いと思ったモデルを熟考の上で購入することが得策です。
本投稿は、2024年12月05日 00時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。