決算書の修正について(在庫不整合)
前期末在庫と今期首在庫に連続性がなく、今期のPL上の在庫とBS上の在庫が不一致の決算書を申告してきまいました。確定後の決算は修正できないと思いますので、次期決算で直すしかないと思うのですが、どうやって直せばいいのですか?
税理士の回答

本件ご質問に関し、下記の点が不明瞭でしたため、仮定を設けてのご回答となること、ご了承いただければと存じます。
1.上場企業や会計監査人設置会社等か、それ以外の中小企業か
2.決算書自体(会計)の修正を指すか、申告書(税務)の修正を指すか
3.期首在庫の計上漏れ(今期PL原価の過大計上)か、期首在庫の過大計上(今期PL原価の過少計上)か
ご質問者様が中小企業の法人であることを前提に以下回答させていただきます。
◆決算書自体(会計)の修正
可能です。
ただし、中小企業の場合は過年度の決算書を修正せず次期決算の修正として扱われるでも問題はございません。
◆申告書(税務)の修正
可能です。申告期限内であれば修正申告や更正の請求をすることなく、訂正された申告書を再度提出すれば問題ございません。
ただし、申告期限後であれば、期首在庫の計上漏れ(今期PL原価の過大計上)か、期首在庫の過大計上(今期PL原価の過少計上)かで、修正申告か更生の請求か(※)で手続き方法は異なります。
※補足
修正申告:申告した税額が過少だった場合の対応
更生の請求:申告した税額が過大だった場合の対応
ご参考:更生の請求
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_8.htm
少しでもお役立ちになれば幸いです。
早速のご回答ありがとうございます。
中小企業です。次期決算で決算書自体を修正する方法を具体的に教えてもらってよろしいでしょうか。よろしくお願いします。

次期決算で修正される際は、「前期損益修正損」ないしは「前期損益修正益」を使用します。(ご参考:中小企業の会計に関する基本要領)
なお、今期首時点での貸借対照表をイメージすると、期首在庫のズレ分、貸借の金額が不一致のまま、期末の貸借対照表も作成されてしまうかと存じますが、期末時、貸借の金額のズレ(期首在庫のズレ)分は、何かの勘定科目で調整されましたでしょうか?
例えば貸借対照表上の「その他流動資産」や「その他流動負債」、「買掛金」などで調整されたか、それとも貸借のズレを調整されていないかで修正仕訳が異なります。
以下、貸借のズレ(期首在庫の計上漏れ)を「その他流動資産」で調整されていた場合とそもそも貸借のズレを調整されていなかった場合の各パターンで、次期決算の仕訳イメージを回答できればと存じます。
ケース1:その他流動資産で調整されていた場合
◆前提
前期末の在庫:1,000
期首の在庫:700(本来1,000)
期末の在庫:500(誤りなし)
その他流動資産:500(本来200)
◆今期貸借ズレ調整(期首在庫の計上漏れだが、在庫のズレと認識せずの調整)
仕訳イメージ:その他流動資産 300 / 棚卸資産(在庫) 300
※仕訳は切っていないと思いますが、仮に「その他流動資産」で調整されていた場合は、結果的に上記の仕訳が切られたこととなります。
◆次期決算の修正
修正仕訳イメージ:前期損益修正損 300 / その他流動資産 300
ケース2:貸借のズレを調整されていない場合
◆前提
前期末の在庫:1,000
期首の在庫:700(本来1,000)
期末の在庫:500(誤りなし)
※貸借対照表の資産側(借方)が300過少にズレたまま
◆今期貸借ズレ調整
調整なし
仕訳はないですが、 「ー / 棚卸資産(在庫) 300」というイメージです。
◆次期決算の修正
仕訳はないですが、「前期損益修正損 300 / ー」というイメージです。
また、初回回答時の下記記載は、期首在庫のズレた分を「仕入」で調整(期末在庫は正のまま)と仮定を置いた記載となる旨、補足させていただければと存じます。
期首在庫の計上漏れ(今期PL原価の過大計上)
期首在庫の過大計上(今期PL原価の過少計上)
以上、詳細な情報を確認できないため、ある程度の仮定をおいての回答となることご了承ください。
仮に詳細なご回答が必要な際は、身近な税理士へ個別にご相談されることをおすすめいたします。
少しでもご参考となれば幸いです。
もう一つだけお伺いしてもよろしいでしょうか?
期首在庫の計上漏れ(今期PL原価の過大計上)
期首在庫の過大計上(今期PL原価の過少計上)
の部分がよくわかりませんので、具体的に教えていただいてもよろしいでしょうか?

はい、お気軽に仰ってください!
下記の点をどのように考えたかを回答させて頂きます。
期首在庫の計上漏れ(今期PL原価の過大計上)
期首在庫の過大計上(今期PL原価の過少計上)
損益計算書や製造原価報告書をイメージしていただければわかりやすいかもしれません。
今回は損益計算書上で、売上原価の項目を下記のように表示されていた場合を例に説明いたします。
◆正確なケース
期首商品棚卸高 1,000
当期商品仕入高 2,000
期末商品仕入高 500
売上原価 2,500
◆期首在庫の計上漏れ(今期PL原価の過大計上)のケース
期首商品棚卸高 700(本来1,000)
当期商品仕入高 2,300(本来2,000)
期末商品仕入高 500
売上原価 2,500
◆期首在庫の過大計上(今期PL原価の過少計上)
期首商品棚卸高 1,500(本来1,000)
当期商品仕入高 1,500(本来2,000)
期末商品仕入高 500
売上原価 2,500
以上のように、期首商品+当期仕入の合計は誤っていないものの、
その内訳に入り繰りがあった場合の誤りを想定し記載させていただきました。
(「今期PL原価」という表現を「今期PL仕入」とすべきでした。混乱させてしまいすみません。)
ベストアンサーありがとうございました。
本件が少しでもお役立ちとなれば幸いです。
本投稿は、2025年06月18日 16時45分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。