棚卸資産について
棚卸資産の評価方法がいくつかありますが、どの評価方法が一番最適なのか質問です。
扱っている商材の価格帯(仕入原価)は、数千円から数十万円とかなり幅がございます。
主な価格帯は、3万円~5万円くらいだと思いますが、一番高いと100万前後のものもございます。(100万前後は年間数点あるかないか程度です)
平均すると、一点当たりの単価は5万前後です。
月の仕入点数は月によってムラがありますが、おそらく150点から200点ほどだと思います。
今後は、点数も増やしていく想定です。
評価方法を選択するにあたり、他に必要な情報が必要でしたらご指摘いただけますと幸いです。
上記の内容だと、何の評価方法が一番適しているのか教えてください。
回答のほど、何卒よろしくお願いいたします。
税理士の回答
安島秀樹
あなたのところで一番使いやすい方法でいいとおもいます。どれくらい利益計算を正確にしたいとか、手間暇かけたくないとかあるとおもいます。
棚卸資産の評価方法には下記のような方法があります。
①個別法 商品ごとの個別仕入原価で棚卸資産を計算する方法
②先入先出法 先に仕入れたものから払い出されたと仮定して棚卸資産を計算する方法
③後入先出法 後に仕入れたものから払い出されたと仮定して棚卸資産を計算する方法
④移動平均原価法 月単位や年単位で仕入商品の単価を平均して計算して棚卸資産を計算する方法
⑤売価還元原価法 取扱品目が多い小売業などで、期末の在庫売価に原価率をかけて期末の棚卸資産の原価を簡易的に算定する方法
⑥最終仕入原価法 最後に仕入れた商品の原価で棚卸資産を計算する方法
貴社の事業の場合、仕入単価が変動することから個々の商品の個性が強い商品かと想定されます。この場合は個別法が良いかと思います。
先入先出法はインフレ時には棚卸資産が実際よりも高めに計算されます。利益が多く出る傾向になります。
後入先出法は逆に棚卸資産がインフレ時は低めに計算されます。
平均法は貴社の場合、似たような商品を販売しているわけではないので個々の商品の特性が反映されず利益が大幅にぶれる可能性があります。
最終仕入原価法は先入先出法よりもインフレ時は棚卸資産が高めに評価されます。
今一つ、利益を乗せる利幅がある程度同じならば売価還元原価法も適しています。アイテム数が多い場合は管理が楽です。
参考になられば幸いです。
取り扱われている商品の価格帯や数量を踏まえますと、最もおすすめなのは【高額商品とその他の一般商品で評価方法を分ける(区分する)】または【税務上の原則である最終仕入原価法を採用する】という方法です。
ただし、税務上の手続きや区分のルールにいくつか注意点がありますので、併せて解説いたします。
【1. 各評価方法の特徴と相性】
① 個別法
1点ごとに仕入原価を追跡する方法です。100万円前後の高額商品には適していますが、月150〜200点(今後拡大予定)ある3万〜5万円の一般商品すべてに適用すると、個体管理の手間が膨大になります。
② 最終仕入原価法(一番手軽・おすすめ)
期末に最も近く仕入れた単価を、その商品のすべての在庫単価とする方法です。届出を出さない場合の「法定評価方法」でもあります。管理の手間がなく、商品数が増えても計算が非常に簡単なため、最も広く使われています。
③ 総平均法・移動平均法
一定期間の平均仕入単価を計算する方法です。仕入価格の変動が激しい場合に適していますが、システムやソフトでの計算が前提となります。
【2. 最もおすすめな選択肢と注意点】
パターンA:高額商品カテゴリのみ「個別法」、その他を「最終仕入原価法」
※注意点:税務上、評価方法は単に「100万円以上か否か」という金額だけではなく、商品の「種類・型・品質」などの客観的な区分で分ける必要があります。例えば「貴金属や時計などの高額品カテゴリ」と「一般アパレルや雑貨カテゴリ」のように、明確に種類が分かれている場合に有効な方法です。
パターンB:全商品を「最終仕入原価法」にする
管理の手間を最小限に抑えたい場合に向いています。高額商品の仕入頻度が年間数点程度であれば、全商品を最終仕入原価法で一括管理しても実務上大きな問題になりにくいです。
【3. 税務署への手続きについての重要注意点】
評価方法を決定・選択する際は、現在の届出状況によって必要な手続きが異なります。
① 初めて評価方法を届出する場合(新規設立、または今まで未届出で法定の最終仕入原価法だった場合)
「棚卸資産の評価方法の届出書」を確定申告書の提出期限までに提出すれば完了します。
② すでに何らかの評価方法を選択・届出済みの場合
単なる届出ではなく「棚卸資産の評価方法の変更承認申請書」を、変更したい事業年度が始まる前日までに提出し、税務署長の承認を受ける必要があります(原則として概ね3年以上の継続適用などの要件があります)。
まずは現在の届出状況を確認された上で、管理の手間が少ない「最終仕入原価法」を基本軸にご検討されることをお勧めいたします。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
内容がお役に立ちましたら、ぜひベストアンサーに選んでいただけますと大変励みになります!
辰見浩一
ご記載の内容を見る限り、価格差が大きく、かつ高額品も含まれているため、「個別法」は有力な選択肢だと思います。
個別法は、商品ごとの取得原価を個別に対応させる方法ですので、仕入単価のばらつきが大きい場合には、実態に合った棚卸評価をしやすいです。特に、数千円のものから数十万円のものまで混在し、さらに一部に高額品があるようなケースでは、平均法よりも利益が実態に近づきやすいと思います。
もっとも、個別法は、商品ごとの管理体制が整っていることが前提になります。点数が今後さらに増える予定とのことですので、型番や管理番号ごとに原価を継続して追えるのであれば相性はよい一方、実務負担が重い場合は、商品区分を分けたうえで別の評価方法を検討する余地もあります。評価方法は事業の種類ごとや資産の区分ごとに選定できますので、高額で個体管理しやすい商品群と、それ以外の商品群を分けることも考えられます。
そのため、ご質問の前提だけで申し上げると、個別法はかなり適した方法と思われますが、最終的には在庫管理の運用負担とのバランスで判断するのがよいと思います。
安島秀樹先生回答ありがとうございます。
正確に出したい場合は、個別法がよろしいでしょうか?
山口雅之先生回答ありがとうございます。
この感じだと個別法が一番有力でしょうか。
先生のおっしゃる通り、同一の商品は基本無く、ほとんどが一点ものになります。
この場合、平均法は管理的にかなり難しく、最終仕入原価法も価格差があるため難しいですよね。
色々調べたところ、総平均法も最終仕入原価法も同一の商品を扱う場合を想定しているようなので、一番かけ離れているのかなと思っています。
荒川直宙先生回答ありがとうございます。
二つの評価方法を選択できればいいのですが、あいにく扱う商材が同一のジャンルでも数千円から数十万円とかなり幅がございます
金額で分けられないとなると、二つの評価方法を選ぶのは難しいのかなと思っております。
また調べたところ、総平均法や最終仕入原価法の場合、基本的には同一の商品を扱うことを想定されているようですが、同一の商品は基本無く、ほとんどが一点ものになります。
価格差もあるため、最終仕入原価法の場合、かなり実態と乖離が出るのではと思っています。
他の先生方の意見を参考にすると、管理は大変になりますが個別法が良いのかなと思っています。
エクセルでの管理になりますが、管理番号と紐付けていくことで管理はできるかなと思っています。
改めてご意見をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
辰見浩一先生回答ありがとうございます。
私自身も個別法が良いのかなと思っていました。
管理は、エクセルと管理番号で紐付けていこうかと思っておりますが、このようなアナログの方法でも問題ないでしょうか。
自身では把握しているため、説明することは可能です。
総平均法も検討しましたが、基本的には同一の商品を扱うことを想定されているようなので難しいのかなと思っております。
最終仕入原価法についても同じような考えらしいのと、価格差があるため、最後に仕入れたものによってはかなり実態と乖離があるのかなと思っております。
扱う商材自体も同一の商品は基本無く、ほとんどが一点ものになります。
この場合、総平均法も最終仕入原価法も実態に合わないため、よくないのかなと思いました。
他にも評価方法がありますが、価格差があることや商材が同一ではないことを踏まえると、個別法が一番適しておりますでしょうか。
改めてご意見をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
私個人的には個別法が妥当かと思います。少額の商品は個数でなくまとめて購入されたりすのではないでしょうか。その場合はまとめて購入するロットなどで管理されれば、管理の手間は省けるかと思います。
山口雅之先生夜遅くにも関わらず、迅速にお返事いただきありがとうございます。
改めてご教示いただきありがとうございます。
あいにく少額の商品も全て一点ずつになります。
扱う商材が基本的に全て異なっており価格差がある場合、個別法以外は難しいですよね。
商材が異なるというのは、同一のジャンルなどはあるけど、型番等が違うので全く同じものはない感じです。
そのジャンルの中でも価格差に幅があります。
もし個別法で管理する場合、エクセルと管理番号で管理するようなアナログの方法でも認められますでしょうか。
自分は把握しているため、説明することは可能です。
辰見浩一
ご丁寧にありがとうございます。
追加のご説明を見る限り、個別法が最も実情に合いやすいと思います。
扱う商材の多くが一点物で、価格差も大きいとのことですので、各商品の取得原価を個別に把握する方法が、実態に最も沿いやすいためです。
総平均法や最終仕入原価法は、同種の商品を継続的に扱う場合には使いやすい一方、ご質問のように商品ごとの差が大きいケースでは、評価額が実態とずれやすいことがあります。
また、エクセルと管理番号で継続して管理でき、各商品の内容や原価を説明できるのであれば、実務上も個別法は十分考えられると思います。
大切なのは、方法そのものよりも、継続して同じ基準で管理できることです。その点が確保できるのであれば、ご質問のケースでは個別法が最適かと思います。
本投稿は、2026年09月09日 10時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







