入金日で売上計上している場合の、前年に控除済みの源泉税の扱い
個人事業主で、売上を入金日で計上しています。
支払元の支払調書は発生ベースのため、前年分の申告では、前年12月に業務が完了し翌年1月に入金された報酬の源泉税も控除したと思われます。
この報酬の売上は、入金した翌年に計上しています。
翌年分の申告では、前年に控除済みのこの源泉税は控除せず、翌年に徴収された他の報酬の源泉税だけを控除すればよいでしょうか。
税理士の回答
相談者様のご理解の通りになります。
山本快夫
お世話になります。
現金主義の特例を適用している場合、その入金ベースで計上した収入に係る源泉徴収税額だけを集計して、申告書に記載するものと考えます。
確定申告書の源泉徴収税額欄には、実際に「源泉徴収をされた所得税の額」だけでなく「源泉徴収をされるべき所得税の額」も記載することとされています。(所得税法120条1項四号)
なお、支払調書は、支払者が税務署に提出すべき書類で、質問者さまにはあくまでも参考資料として交付されているだけですので、支払調書と一致させる必要はありません。
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
現金主義の特例を採用している場合は、この報酬の収入計上時期は入金した翌年1月で確定します。源泉税もそれに合わせて翌年分で控除するのが正しい扱いです。
翌年分に報酬は源泉徴収される前の総額で売上に計上し、その源泉税も控除します。翌年に徴収された他の報酬の源泉税とあわせて控除する形です。
藤倉真人
お世話になります。
結論として、源泉税は「その報酬を売上に計上した年分」で控除します。そのため、売上は翌年、源泉税は前年という今回の処理は年分がずれています。どちらの年に合わせるかは、現金主義の届出をしているかどうかで変わります。
源泉徴収税額は、その年分の所得の計算に含めた収入について源泉徴収された額を控除するものです(所得税法第120条第1項第5号)。売上と源泉税は同じ年分にそろえる必要があります。
まず、事業所得の売上は原則として発生主義(入金日ではなく、収入が確定した時点で計上する方法)で計上します(所得税法第36条)。人的役務の提供(業務を行うことによる報酬)であれば、収入の時期は原則として業務が完了した日です(所得税基本通達36-8(5))。入金日で計上できるのは、「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を提出している場合に限られます(所得税法第67条)。この特例を使えるのは、前々年分の所得が300万円以下の青色申告者です。
① 現金主義の届出をしていない場合
12月に完了した業務の報酬は、前年分の売上になります。前年分は源泉税だけを控除して売上が漏れている状態ですので、前年分について売上を加える修正申告が必要と考えられます。翌年分ではこの売上を除き、源泉税も控除しません。翌年に源泉徴収された他の報酬の源泉税のみを控除する処理で整合します。
② 現金主義の届出をしている場合
入金した翌年分の売上とする処理が正しく、源泉税も翌年分で控除します。前年分は源泉税を多く控除しすぎた状態ですので、前年分の修正申告をしたうえで、翌年分でこの源泉税を控除します。なお、現金主義を選択している場合、青色申告特別控除は10万円となります。
支払調書は支払者が作成する資料で、計上時期の判断基準にはなりません。ご自身の届出状況をご確認のうえ、前年分と翌年分で売上と源泉税の年分をそろえていただくのがよろしいかと存じます。
山本快夫
いまだに散見されますが、支払調書は支払者が税務署に提出すべき書類であって、支払者が支払を受ける方に交付するものではありません。
そのため、もし支払調書を「参考資料として」受け取っている場合は、支払調書に記載された源泉税額と一致しないことも多いです。
実務上、未払の報酬につき二段書していない支払調書も散見されますのでご注意ください。
宜しくお願い致します。
本投稿は、2026年11月04日 11時08分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







