預り金の計上は契約時か受け取り時か
法律事務所の事務をしております。
委任契約時の預り金の経理上の処理について教えてください。
通常、委任契約時に着手金〇万円、預り金〇万円、と明示して契約し、支払いは後日現金持参だったり、振り込んでもらいます。
この場合、着手金については、契約時に
売掛金/売上
とし、振り込まれたら
普通預金/売掛金
という処理で間違いないでしょうか。
また、預り金の仕訳はどうすればよいのでしょうか。
(預り金の経理処理が必要かという問題はあると思いますが、するとして)
税理士の回答

着手金30万円、源泉所得税預り金が30,630円、消費税が3万円とすると、
契約時は
借方:売掛金299,370円 貸方:売上330,000円(税込み)
貸方:預り金30,630円
という仕訳になります。
入金時は
普通預金/売掛金
で結構です。
よろしくお願いいたします。

長谷川文男
着手金の法的な性格は、着手金を受け取ったら、依頼された仕事に着手しますと言うことだから、契約しても、着手金を受け取らない限り、売上は発生しないはずです。
また、売上が発生するタイミングは、契約したときでも、着手金を受領したときではなく、その委託された仕事が終わったときが原則です。
本来あるべく仕訳は
契約時
仕訳なし
着手金受領時
普通預金//前受金
中間金等受領時
普通預金//前受金
仕事が終わった時(相手に委託物を提供したときなど)
前受金//売上
売掛金//売上
※ タイムチャージみたいに、処理した時間に応じて請求する場合は、引渡し時に一括ではなく、処理した都度、売上が発生するものと考えられます。
弁護士報酬等、預り金が発生する報酬を受け取るとき、相手が源泉徴収する義務のある場合は、事業主貸//売掛金のように支払時に源泉徴収されることになります。「売掛金//売上」と売上を計上したときではなく、その売掛金を回収したときです。
※ 給与の支払いをしていない個人は、源泉徴収義務はありません。
法人と給与の支払いをしている個人が源泉徴収義務があります。
本投稿は、2020年07月08日 10時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。