中古マンションの建物価格と減価償却費用について
この度中古マンションを購入することになり、これを賃貸に出した場合に申告すべき減価償却費のもととなる建物価格の算出方法について悩んでいます。
売買契約は締結済みで、売主は、マンションの新築時から当該物件に住まわれている個人の方のため、消費税の支払いはなく、契約上、建物価格と土地価格の内訳の記載もないのですが、本マンションを購入後賃貸に出すことを考えているため、減価償却費用を出すための建物価格をどのように算出すべきかご教示いただけないでしょうか。合意された価格がない場合は、固定資産税課税評価額に基づいて計算するのが一般的と聞いたのですが、そうすると土地価格の割合が不相応に高くなるため、正当に依拠できるより有利な他の基準があるのであれば、そちらに依拠したいと思っています。たとえば、売主さんが新築購入時、支払った売買代金と消費税額を元に割合を算出するということは認められますか?また、もしより安全・確実ということであれば売主さんにお願いして、内訳価格を契約書に明記していただくことも可能なのですが、その場合の価格は何を参考に決めるべきで、またどの程度そういった基準から乖離しても認められるものでしょうか?
税理士の回答
ご質問の点に関しては、税法を一言でいうと「合理的に決めろ」ということになります。具体的には次の3通りとされています。一つめは土地価格を合理的に算出し、建物代は合計額から土地価格を控除する。二つめは建物価格を合理的に算出し土地代はその差額で。もう一つは双方を合理的に算出する、というものです。
ただし「合理的」とはいうものの、何が合理的なのかについての具体的な提示はありません。ちなみにご指摘のとおり固定資産税評価額はかなり低く出るため採用しないという選択は当然といえます。
結論的に言えば、税務職員に「どうやって建物の取得費を決めたのですか」と聞かれた際に、「こうやって決めました」と答えられる手法であれば、それが常識的に不合理でない限りは認められるはずです。
したがって「売主さんが新築購入時…」という手法は十分合理性がありますから、問題ないと思います。ただし「売主さんにお願いして…」については、売主さんの決め方の合理性の問題があります。
ちなみに私であればこうやると思います(あくまで考え方ですが)。まず現在のそのマンションの建築単価(1坪当たり100万円?)を考えます。そしてこれに購入マンションの面積(壁芯面積)を乗じて新築価格を算出します。次にそのマンションが50年(必ずしも法定耐用年に束縛されない)もつと考え、購入マンションが築20年であれば、新築価格に50分の30を乗じる、というわけです(ただし土地代とのあまりのアンバランスは不可です)。
いずれにしても「説明がつくような合理性さえ確保していれば、何でもあり」といえましょう。あまり難しく考えないことです。
本投稿は、2017年06月13日 13時02分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。