交際費の条件について(5000円基準,アルコール等)
小さな法人企業です。
交際費について質問です。
・5,000円以下なら会議費に(酒が入らない事)。
・5,000円を超えたら交際費に。
とよく書かれていますが、
じゃあ主催イベントの打ち上げ等で一人3,500円コースの飲み会を支払った場合はどうなるのでしょうか?
(社員以外も混ざった状態)
アルコールが入っているのでもちろん会議費にはなりませんよね。
社外の人間が含まれているので福利厚生費にもなりません。
一人当たり5,000円に到達しませんが交際費で良いのでしょうか?
税理士の回答

奥谷誠
交際費から除かれる会議費としての支出は、「飲食」とされていますので、ここにアルコールの有無は判断材料になっていません。
国税庁ホームページ(タックスアンサー№5265)には
交際費について
「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。」
とし、さらに交際費から除かれるものとして
「次に掲げる費用は交際費等から除かれます。
(1) 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
(2) 飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます。)のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用
なお、この規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。
イ 飲食等のあった年月日
ロ 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
ハ 飲食等に参加した者の数
ニ その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名または名称、住所等)
ホ その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項」
とされています。
したがいまして、ご質問の主催イベントの打ち上げ費用は会議費として費用計上できるものと考えます。

長谷川文男
何か勘違いしていませんか?
会議費にするには、会議をしていなければなりません。
もっとも、商談を含めて会議ですから、一般の会議の範囲より広い概念です。また、会議費には明確な金額基準はありません。
アルコールが出ても、ビール1杯程度とかいわれています。
1人5,000円以下の取引先を含めた飲食費は、通常の交際費の枠外ですが、決算書の勘定としては「交際費」が適当だと思います。
法人税法(租税特別措置法を含む)としては、制限を加える範囲を明確にしているだけで、決算においてどの勘定を使うかは言及していません。
社外の人が入っている1人5,000円以下の飲食費は、交際費の損金算入限度額の対象外ですが、決算書で「交際費」にしてはならないと規定していません。
個々の会社ごとに何を使うか決めれば良いのです。
「主催イベントの打ち上げ等」は悩ましい問題です。主には当社社員の慰安が目的なので、福利厚生費にしたいところですが、社外の人はどうするか等です。ただし、会社がどの様な勘定科目にするにせよ、1人5,000円以下なので法人税の計算においては損金になります。
お二方、ご回答ありがとうございます。
解釈によってご意見が分かれることもあるのですね。
イベントの打ち上げ費用は「交際費」として処理しようと思いますが、
この場合、
ウチのような小さい法人(資本金1億円以下)の場合は全額損金(800万円まで)に入れて大丈夫ですよね?

長谷川文男
社外の人を含む一人5,000円以下の飲食費は、800万円までの枠外で損金になります。
(社外の人がいなければ福利交際費です。)
決算書上で「交際費」として処理し、法人税の申告調整で交際費から除外するのが良いでしょう。
具体的には、別表15において、「交際費等の額から控除される費用の額7」で、除外します。
本投稿は、2022年08月30日 23時27分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。