否認されない退職金額の決め方
55歳で設立25年(H29年現在)の会社を経営しています。65歳頃に社長交代を予定しています。退職金準備のために加入した生命保険が負担となっていて解約を検討しています。今後の資金繰りのために、準備しておく退職金額の目安(経費となる)と、解約をした場合の返戻金を役員賞与として受取りたいのですが方法がありますか?
年収:2000万 ※退職後も会長などのかたちで会社には残ります。
税理士の回答
退職金額の目安としましては、類似法人の功績倍率などを参考にして計算する方法があります。
「最終報酬月額×在任年数×役位別功績倍率」という計算式です。
たとえば、社長の最終報酬月額を160万円,在任年数35年,功績倍率を3とした場合、
「160万円×35年×3=16800万円」となります。
これはあくまでも上限となる金額ですので、この範囲内で可能な金額を考えれば宜しいと思います。
なお、退職後も会長の立場で経営に従事する場合には、役員退職金は損金と認められませんのでご注意ください。実質的に経営から退くことが必要になります。
役員賞与として受け取るためには、事前確定届出給与とすることが必要です。詳細につきましては下記サイトの「2」をご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5209.htm
宜しくお願いします。
いつもわかりやすい回答をありがとうございます。保険の支払いのために資金繰に困っています。解約をすれば利益がでるのでせめて10年はと思っていましたが、損金にできないとわかり困まりました。解約して税金を払う方法しかないのでしょうか?
ご連絡ありがとうございます。
なかなか難しい問題ですね。
一つの方法として保険料の自動振替貸付を利用することが考えられます。解約返戻金の範囲内で保険会社が保険料を立て替えてくれるものです。但し、保険会社に予め届けておく必要がありますのでご留意ください。
別の方法として、こちらも保険会社に確認して頂く必要がありますが、保険契約を一旦失効するという案があります。失効することで保険料の支払いを一定期間止めることができ、また、解約ではありませんので利益計上を先延ばしすることができると思われます。
その上で退職の時期を早めるなどして解約返戻金を有効活用するのが宜しいかと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
いつもありがとうございます。失効や立替を検討してみます。
いくつもの選択をご提示いただいたので参考させていただきます。
本投稿は、2017年12月14日 07時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。