還付金について
前期欠損金の控除を記入することを忘れて申告書を提出していました。
そこで更生の連絡があり、再提出および法人税と地方法人税の還付がありました。
仕訳は雑収入で受けました。
ただ、上司からは法人税等のマイナスで処理する方が税務調整は不要では?と言われたのですが、この処理は問題ないのでしょうか。
「現状」:別表4(益金不算入の減算)、別表5ー2(納税充当金の計算箇所で取崩し)
現預金 / 雑収入
「上司の考え」:税務調整なし
現預金 / 法人税等
税理士の回答
土師弘之
雑収入で計上したのであれば、法人税等還付金は益金不算入ですので、おっしゃる通り申告調整は必要になります。
なお、上司の考え方である「現預金 / 法人税等」の仕訳であれば、経費のマイナス=収益の計上ですので、「雑収入」と同じ結果となり申告調整は必要になります。「法人税等」は経費科目です。
おそらく、上司は 現預金 / 法人税等充当金 のことを言いたかったのだと思われます。法人税等充当金(納税充当金)へダイレクトに繰入するのであれば、申告調整がなくても問題ありません。
土師先生
ご教示ありがとうございます。
税務は面白いですね、確かに法人税等は経費科目ですので疑問に思っていました。
現状、以下の計上となっていますが、上司のいう法人税等で計上する場合は、別表4で損金不算入で加算するだけという認識でよろしいでしょうか。
「中間納付」
仮払税金 / 現預金
※期末に振替予定:未払法人税等 / 仮払税金
「更生による還付」
現預金 / 法人税等 ※別表4で損金不算入(加算)
土師弘之
「中間納付」は予定納税?であり、欠損金控除失念による還付金とは別のものだと思われますので、従来通り処理するだけでいいのかと思われます。なお、今期中の中間納付分であり、欠損金控除の関係により減額されるのであれば、減額される部分だけ取消処理することになります。
そして、現預金 / 法人税等 と経理するのであれば、「益金不算入法人税等」として別表四減算することになります。
経費のマイナス(雑収入の計上と同効果)ですので、「損金不算入で加算」ではなく「益金不算入で減算」です。
法人税や法人住民税は発生時は確か損金不算入ですので益金不算入で受けることを納得できました。
結局、雑収入と同じということですね。
であれば別表4で減算、別表5ー2の納税充当金の計算箇所で取り崩し欄に記載します。
この他に別表で記載すべき箇所はありますでしょうか。
土師弘之
還付金で納税充当金を変動させないのであれば、別表四では減算しますが、別表五(二)の「納税充当金の計算」欄は記載しません。
一方、別表五(一)の期首利益積立金額欄に「未収法人税等」を記載しておかないと、別表四・別表五(一)の検算式が成立しません。
「更生前」前期計上
法人税:4,194,400円
住民税:498,800円
事業税:1,450,800円
納税充当金:6,144,000円
「更生後」
法人税:3,724,500円
住民税:469,000円
「当期仕訳」未払法人税等の帳簿は0円
未払法人税等4,693,200 / 現預金4,693,200 →法人税等
未払法人税等1,450,800 / 現預金1,450,800 →事業税
現預金469,900 / 雑収入469,900 →更生による還付469,900
「納税充当金計算」
期首納税充当金:6,144,000
法人税等の取り崩し:a.4,193,500? b.4,693,200?
事業税の取り崩し:1,450,800
期末納税充当金:a.499,700?、b.0?
何をどうすればいいのか混乱してきました、勉強不足で申し訳ございません。
土師弘之
【前期】
(会計処理)
法人税等/未払法人税等 6,144,000
(申告調整)
別表四 損金経理納税充当金「4」 6,144,000(加算・留保)
別表五(一) 納税充当金「26」③ 6,144,000(未納法人税等欄は省略)
別表五(二) 納税充当金の計算欄
損金経理納税充当金「31」 6,144,000
【当期】(還付金を「雑収入」で計上する場合)
(会計処理)
未払法人税等/現金預金 4,693,200(法人税・住民税)
未払法人税等/現金預金 1,450,800(法人事業税)
現金預金 / 雑収入 469,900 (還付法人税)
(申告調整)
別表四 納税充当金事業税「13」 1,450,800(減算・留保)
過誤納還付金額 「18」 469,900(減算・留保)
別表五(一) 空欄「24」① 未収還付法人税 469,900 (※)
空欄「24」② 未収法人税減 469,900 (※)
納税充当金「26」② 6,144,000
別表五(二) 納税充当金の計算欄
取崩額法人税等「34」 4,693,000
取崩額事業税等「35」 1,450,800
「雑収入」に計上するのですから「納税充当金」には影響しません。
その代わり、(※)のように「未収法人税」の処理が必要になります。
以上のような別表調理となります。
非常に丁寧にご説明ありがとうございます。
別表五(二)の期首残は、更生後の申告書が最終ですので、
前期申告書とつじつまが合わないので、この箇所は更生後の金額で問題ないでしょうか。
別表五(二) ※更正後
法人税 3,724,500
道府県民税 112,700
市町村民税 356,300
別表五(二) 確定申告(更正前)
法人税 4,194,400
道府県民税 116,900
市町村民税 381,900
土師弘之
法人税だけの減額で相談されていましたが、やはり法人住民税も影響しますよね。
したがって、還付金には法人住民税の還付金も同様な処理をすることになります。
別表五(一)(二)の期首残高なのですが、理論的には更正後の金額とすることになります。しかしながら、実際には誤った金額で納付しているわけですから、期中納付額(「当期中の納付税額」欄)と一致しなくなり別途調整処理が必要になります。
したがって、期首残高は前期末残高通り(前期申告書に記載された通り)にする方が分かりやすいと思われます。その結果、上記(※)のようなに未収還付金を記載する必要が出てきます。
言葉足らずで大変失礼いたしました。
都道府県税と市民税の還付はあるかと思いますがまだ無いです。
まとめると、、、
前提1:当期の法人税申告書の準備
前提2:法人税、都道府県税、市民税で更正による還付があったときの処理
補足:法人税、地方法人税の還付は済み。都道府県税と市民税の還付は未
以下、当期の準備段階
「別表四」
・法人税等の還付(仮項目名)、減算で益金不算入に記入
「別表五(一)」
・法人税等の還付(仮項目名)、期首利益積立金額①と当期中の増減-②減 に記入
---------ここで検算→照合OK-----------
「別表五(二)」
・期首未納税額は帳簿処理と同様の更正前の金額を記入する。
※更正後の金額と相違があるが、別表四と別表五(一)にて記入し調整しているため問題ない。
また取り崩し欄で同額が減少するため、法人税・都道府県税・市民税は0となる。
・納税充当金計算欄は、
期首納税充当金6,144,000-法人税等(取崩)4,693,200-事業税(取崩)1,450,800=期末納税充当金0
今期の準備段階なので0になればよい。
※税効果会計の実効税率については勉強していますが後日、新規スレッドで別途ご質問するかもしれません。お見掛けしましたらご協力いただけますと幸いです。
土師弘之
法人住民税の還付は待っていれば勝手に更正処分してきますが、いつになるかはわかりません。
早期の還付を求めるのであれば、法人住民税も「更正の請求」を提出する必要があります。
本投稿は、2025年09月19日 10時21分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







