NPO法人B型事業としてのカフェ運営が収益事業とされない場合は?
はじめまして。現在、特定非営利活動法人として就労継続支援B型事業を行っている法人の代表を務めております。
このたび、当法人が新たにカフェ事業の運営を検討しております。
本事業が法人税法上の「収益事業」に該当するか否か、また法人税の申告義務が発生するかどうかを確認したく、ご相談させていただきました。
■法人概要
法人格:特定非営利活動法人(NPO法人)
事業形態:就労継続支援B型(障がい者総合支援法に基づく)
主な目的:障がい者の社会参加促進と自立支援
■ご相談事項
収益事業とされないためにはどのような条件が必要でしょうか?
詳しい内容と可能であればエビデンス資料も合わせてお答えいただけると幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、実務経験のある税理士の先生のご意見を頂けますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答
土師弘之
就労支援事業は、①就労支援事業と②福祉サービス事業に大別されるとされています。
①では、障害者等の方々を従業員等として、製造販売業などの事業を行う(生産活動収入)
②では、障害者等の方々を支援(教育訓練等)を行う事業であり、収入は国等からの補助金等
ということになると考えられます。
そして、法人税法上の「収益事業」に該当するかどうかは、①で行っている事業が「収益事業」のどれに当たるかどうかで判定することになります。②で国等からの補助金・給付金等収入であれば収益事業に該当しません。
そうすると、「カフェ事業の運営」は、①に該当し、また、収益事業34業種のうちの「料理店業その他の飲食店業」に該当することになります。
ところで、収益事業34業種に該当した場合でも、
・公益法人等が行う収益事業のうち、その事業に従事する身体障害者等がその事業に従事する者の総数の半数以上を占め、かつ、その事業がこれらの者の生活の保護に寄与しているもの(法人税法施行令第5条第2項)
には収益事業としないことができるとなっていますが、
「その事業に従事する者」とは「雇用関係にある者」をいい、「生活保護に寄与している」とは「事業にかかる剰余金等の処分可能な金額の相当部分を従事者に給料等を支給していること」と解されています。
しかしながら、「就労継続支援B型」では実態からしてこの要件を満たさないと考えらえるため、当カフェ事業は「収益事業」に該当すると判断すべきだと思われます。
「収益事業」に該当するかどうかは、34業種にあてはまるかどうかだけで判断するものであり、つまり、就労支援事業だからだとか障害者自立支援だとかという理由で判断するものではありません。例外的に、一定の要件を満たせば、収益事業としないことができるとなっていますが、「料理店業その他飲食店業」には、法人税法施行令第5条第2項にしか除外規定がありません。
本投稿は、2025年11月11日 14時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







