退職給付会計
会計・税務の勉強をするにあたり退職給付会計は必要かどうか悩んでいます。
理由は退職給付会計について、職場では総務部が給与・賞与・退職金の計算を行っており、経理部では金額の算出はしていません。経理部では計算された金額で仕訳をしています。勿論、知っておいて損はないですが、給与等の計算はしない場合、日常業務では特に必要ないものでしょうか。
税理士の回答
結論から申し上げます。
相談者様が経理部として「仕訳・決算処理」を主業務とし
退職金の制度設計・数理計算・引当額算定を行わない立場
であれば、退職給付会計を“深く理解して計算できるレベル”まで勉強する必要性は高くありません。
一方で、仕訳の意味と財務諸表への影響が分かる程度の理解はしてもいいかもしれませんね。
なぜ「深い理解」は必須ではないか
実務上、退職給付会計は次のように分業されています。
総務・人事
退職給付制度の設計
勤続年数・給与データ管理
外部専門家(社労士・数理計算人)
退職給付債務(DBO)
期待運用収益
数理計算
経理部
計算結果を前提に仕訳
決算書・注記作成
相談者様の立場では、計算ロジックを自力で組み立てる場面は通常ありません。
それでも「最低限」知っておくべき理由
退職給付会計は、仕訳の意味を理解していないと危険な分野です。
最低限、以下は理解しておくことは有用かと思います。
退職給付引当金は「将来支払う退職金の見積負債」
会計上の費用計上タイミングと、税務上の損金算入タイミングは一致しない
以下の仕訳が何を意味しているか
退職給付費用
退職給付引当金
数理計算上の差異
過去勤務費用
財務諸表(BS・PL・注記)への影響
「なぜこの金額がこの勘定科目で計上されているのか」を説明できるレベルを理解すると腹落ちしやすいかと思います。
税務の観点
税務では、原則として
退職給付引当金は損金不算入
実際に退職金を支払った時点で損金
という扱いになります。
したがって
会計:費用計上している
税務:別表で加算(否認)
という処理が発生します。
法人税申告・別表調整を扱う人は、退職給付会計の「位置づけ」だけは知っておいてよいかと思います。
勉強の優先順位
相談者様の状況でのおすすめは以下です。
退職給付会計の全体像(制度・流れ)
基本仕訳と財務諸表への影響
税務との違い(損金不算入)
余裕あれば
数理計算の詳細
割引率・期待運用収益率の算定方法
退職給付債務の細かい計算式
ありがとうございます。
現状で必要な知識や理屈はしっかりと押さえておこうと思います。
本投稿は、2026年01月03日 10時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







