経費の考え方について
ご教授願います。
法人で社会福祉・医療系の事業を行っております。
業務上、必要な資格があり(法人ではなく個人に付随する資格)、従業員がこれを取得する際、資格学校に通う費用を法人の経費にすることは可能でしょうか。
※尚、従業員は代表者の親族です。
インターネットで調べたところ、
業務上で必要であれば良い、という見解や、給与認定されるのでダメ、という様々な見解があったので、こちらに相談させて頂いた次第です。
その他、こういったケースで注意すべきことなどあればご教授願います。
税理士の回答
日置崇盛
ご質問ありがとうございます。
調べるほど見解が分かれていると、判断に迷われますよね。
結論として、資格が実際の職務に直接必要であり、資格取得に係る費用が適正な金額であれば、法人の経費とし、従業員に対して給与課税しない取扱いが認められます(タックスアンサーNo.2601を参照されて下さい。)。
また、従業員が代表者の親族であることだけを理由に、認められなくなるわけではありません。
見解が分かれるのは、次の2つの論点が混同されているためだと思います。
・給与として課税しなくてよいか(職務に直接必要か、費用が適正かで判断)
・法人の経費として認められるか(給与として課税される場合でも、原則として給与として経費になります)
ただし、職務に直接必要とはいえず、従業員個人の利益に当たる場合は、給与として課税され、源泉徴収が必要になる可能性があります。
また、代表者の親族である従業員については、不相当に高額な給与部分が損金不算入となる場合もあるため、注意が必要です。
【親族の場合に特に確認したい点】
親族であること自体が問題なのではなく、法人の業務上の必要性に基づく支出であることを説明できるようにしておくことが大切です。
・資格取得後に、実際にその資格を活用する業務に就く予定があるか
・他の従業員にも同様の資格取得支援制度が設けられているか
・親族であることを理由に、特別な利益を与えていないか
・資格取得費用が社会通念上、適正な金額であるか
【実務上の注意点】
・法人として資格取得の必要性を明確にしておく
・受講を業務上指示した記録や社内決裁書を残す
・契約書や領収書を保管する(可能であれば法人名義で契約・支払いを行う)
・受講料や教材費など、資格取得に必要な費用の範囲にとどめる
・資格取得後の担当業務や活用予定を明確にしておく
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
以下の3つの要件を満たすものであれば、給与として非課税の対象となるものと考えます。
なお、対象が特定の者に限られておらず、結果的に代表者の親族だけとなった場合でも、この扱いの対象となります。
―――――――――――
補足)
給与課税されない資格取得費用については、所得税基本通達36-29の2において、以下の3つが要件とされています。
①業務遂行上の必要に基づくもの
②職務に直接必要な技術・知識・免許・資格を習得させるもの
③費用として適正なもの
しかし、課税実務において、その範囲における判断が難しく悩ましい部分があるのも事実ですが、平成28年の税制改正により学資金の扱いが非課税枠拡大の方向で整理されたこととも考慮すると、上記3つの要件を満たす限りは、問題なく適用されることになります。
なお、取得する資格が「一身専属である」や「独立開業できる」などの理由を挙げて、この通達の適用はなく給与課税されるという解釈も見受けられますが、個人的には上記の判定・判断には関係ないと整理しています。
この点につき、日本最大級の税理士集団のQAにおける以下のような考え方も参考になると考えます。
社長が取得した2級管工事施工管理技師資格について、社長個人に属する資格の取得であるとしても、上記の要件を満たしている限り、課税関係は生じないものと考えられる旨が、示されています。
―――――――――――
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になれば幸いです。
本投稿は、2026年11月06日 14時13分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







