建設会社が収益物件を建設するため、その全工事を他の建設会社に委託する場合の会計処理
建設会社Aは木造住宅の建設と販売を専門とする戸建て分譲業者であり、建設業会計を導入しています。建設会社Aは、RC造の賃貸マンションの建設と販売を企画し、その建設用地を購入し、(自社ではRC建物を建設できないので)建設工事の100%を他の建設会社Bに委託しました。
(質問1)
賃貸マンション建設期間中に、建設会社Bへの支払い(着手金、中間金などの支払い)を行った後、建設会社Aの決算期末が到来した場合、建設会社Aが、そのマンション建設に関して、流動資産に未成工事支出金(あるいは仕掛工事原価)を計上することは可能でしょうか?不可の場合、建設会社Aが資産項目に使用すべき勘定科目は何でしょうか?
(質問2)
質問1を変更して、仮に、建設会社Aが、そのマンション建設工事の1割(内装工事など)を自社で行い、残りの9割(基礎・躯体工事など)を建設会社Bに委託するとした場合、建設会社Aは、そのマンション建設に関して、流動資産に未成工事支出金(あるいは仕掛工事原価)を計上することは可能でしょうか?
税理士の回答

(質問1)
RC造りの賃貸マンションを建設後他社へ売却されるのであれば、A社が販売先との間で売買する契約を前提に、販売用の不動産の一部をB社に請け負ってもらっているので、当該マンションはA社にとって棚卸資産なので仕掛工事として決算時は未成工事支出金を処理することになるかと思われます。
一方、当該マンションをA社が完成後所有し、賃貸に出す場合は、A社の収益不動産なので投資その他の資産になるので、決算時は建設仮勘定が妥当かと思われます。
(質問2)
販売目的であれば、一部をA社が工事したとしても、A車で原価計算をしたうえで、その原価を棚卸資産に計上することになるので、質問1同様の処理になるかと思われます。
本投稿は、2019年07月07日 19時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。