社員旅行の積立金を会社に贈与できますか?
■社員旅行用に社員が積み立てたお金(会社のお金ではない)を、どのようにすれば会社に贈与(または貸与)することができますか?
中小企業の従業員です。
当社では主に社員旅行の費用に充てることを目的として、毎月、社員が給料から数千円を出して積み立てています。
ここ数年は旅行が実現しなかったため、積立金が200万円程度に貯まっています。
一方で会社の業績が芳しくない状況が数年続き、今年はついに人件費の削減が始まりました。
このまま業績が回復しないと、最悪の場合には会社が倒産してしまう、という不安を全社員が感じています。
そこで私は「旅行の積立金を会社の経営層に渡して、業績向上のために使ってもらったらどうか」と全社員に提案しようと思っています。
しかし、旅行の積立金は会社のお金ではないため、会社にお金を移すためにはクリアすべき問題があろうかと思います。
どのようにすれば積立金を会社に贈与することできますか?
贈与することが困難な場合、会社にお金を貸すという形なら可能でしょうか?
税理士の回答

天尾信之
相談者様 税理士の天尾です。
会社へ贈与することは可能ですが
その場合は寄付したことになります。
その受けた金額に法人税がかかります。
貸付も可能かもしれませんが、法人との契約書(借用書)を
誰名義にするのかで問題になりそうですね
(厳密にいうと会社と積み立てしてる全員になるのかもしれないですね)
天尾さま
早速ご回答をいただき、ありがとうございました。
「会社への贈与は寄付として扱われ、その金額に応じた法人税がかかる」とのことですね。
今回のケースの場合、会社に200万円の寄付をするということになりますが、法人税分を差し引いて会社側が実際に使える金額はいくらになりますでしょうか?
再度の質問で恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。

中島吉央
ラフにいうと、法人税、住民税等で30%ぐらいですので、会社にとって実際に使えるのは140万円ということになります。ただし、実際の中小企業の法人税の計算は1年間のトータルで儲かっていなければかからず、また、過去の赤字(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除)を利用することもできます。
質問者さんの会社の現状は厳しいようですので、会社の損益状況が赤字、また、ここ数年内はトータルで大赤字のような気がします。このような場合だと、法人税がかからず、まるまる200万円を利用できます(申告書を見てないので断定はできませんが)。
外部リンク先 国税庁HP「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5762.htm
中島さま
詳細なご回答をいただき、ありがとうございました。
各種税金を差し引いた後の金額はおよそ140万円、会社の損益の状況によっては税金がかからず会社は200万円全額を利用できる、とのことですね。
天尾さま、中島さまにいただいた情報を基に、社員のみんなに提案をしようと思います。
お二方ともご助言いただきありがとうございました。
本投稿は、2019年08月24日 17時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。