利益操作等の抵触について
自社で営業に使用する特殊車両を、A社に発注しました。
このA社とは互恵の関係にあるのですが、当社が輸送業を営んでいることもあり、この車両納入時の『輸送』について、他社輸送業者との競争見積の結果、当社に発注を頂くことで話が進んでいます。
つまり結果的に、自社が購入する商品の一部費用が自社の売上金にあたることに成るのですが、このような場合、税務上問題があるのでしょうか?
ご教示頂けますと幸いです。宜しくお願い致します。
税理士の回答

小野陽祐
結論としては、税務上問題なしと判断します。
税務上も会計上も、外部に支払った輸送費用は固定資産の取得価額に含められて、減価償却費として損金計上されます。
自社の売上分を固定資産の取得費に含めるということは、自社売上に関する利益部分や間接的費用も売上と両建てされる形となります。
自社で計上した売上は益金、固定資産の取得価額は減価償却費として損金に計上されるため、トータルでの益金と損金は同額になりますが、
両建て計上した場合の方が、益金が先に計上され、損金が後に計上されることとなります。つまり、課税上納税者が不利となるため、税務上の問題点とはなりません。
なお、会計上は論点とはなります。他社輸送業者との競争見積を行っており、
通常の市場価額で行われた客観的取引であると推定されるため、売上との両建て計上について認められる可能性はありますが、
私見としては、当該売上に関する純粋な利益部分は計上するべきではないと思います。
早々にご回答を賜りありがとうございました。
ご回答ありがとうございました。
すみません、基本的な事が理解出来ておらず、初歩的な質問にて恐縮です。
税務上は問題はないが会計上の問題にはなる為、利益計上すべきでないとの事ですが、どのような理由なのでしょうか?
経理的な知識が全くなく、税務上と会計上の違いか理解出来ておりません。
もし宜しければご教示頂けますと幸いです。

小野陽祐
理論的には、会計上というのも税務上というのは同じなのですが、実務上は、下記の通りです。
税務上では、課税所得の計算が同じになるように、又は課税所得が多くなるように、又は課税時期が早くなるような処理を敢えて行うといった、
原則通り正しく処理したときと同じ結果又は納税者不利になる会計処理の場合は基本的に問題になりません。
売上と経費が同額計上されている場合、資産と負債が同額計上されている場合などです。
会計上というのは、会社法計算書類や有価証券報告書の財務諸表として問題があるかどうかということです。
これらは一般に公正妥当な企業会計の基準に従って作成しますが、税務の計算ほど明確な基準がありません。
つまりグレーゾーン部分があり、理屈が通ればOKというところがあります。
税務上認められない会計処理でも会計上は問題ない場合で所得金額に差異がある場合は税務上,別表四で調整します。
また、売上と経費が同額計上されていて、所得が同じでも、売上が多い方が印象がいいからそのように処理する場合は、
会計上は認められない、という判断する場合もあります。
ご回答ありがとうございました。よく理解出来ました。
本投稿は、2016年04月20日 12時19分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。