「売上に関する帳簿の記載事項の省略承認の申請」について
当社は、飲食店を経営しております。日々の売上は、1日分まとめて帳簿に,記載していますが、「売上に関する帳簿の記載事項の省略承認の申請」を提出しておりません。
何か、ペナルティーとかあるのでしょうか?
個々の売上の伝票は、あります。当社は、青色申告です。
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答

土師弘之
結論から言いますと、「売上に関する帳簿の記載事項の省略承認の申請」の必要はありません。
青色申告を適用している場合、帳簿の売上に関する項目には、「取引の年月日」、「売上先」、「品名その他給付の内容」、「数量」、「単価及び金額」並びに「日々の売上総額」を記載しなければならないことになっています。
ただし、「小売その他これに類するものを行う法人の現金売上げで、ただし書の規定にもより難いものについては、所轄税務署長の承認を受けた場合は、日々の現金売上げの総額のみを記載することができる。」となっています。この税務署長の承認おけるための申請が、「売上に関する帳簿の記載事項の省略承認申請」です。
ここでいう「ただし書の規定にもより難い」とは、「売上先」、「品名その他給付の内容」、「数量」、「単価及び金額」のいずれか1つでも記載することができないことを言います。
これは、どのような取引を想定しているのかというと、市場の八百屋や魚屋のように、売り上げの現金をざるに入れるような取引(いわゆる「ざる勘定」)で、売上に係る記録が一切作成されておらず、1日の売上高はざるに入った現金を集計して計算するしかないような取引を指しているものと思われます。また、この適用を受ける取引は「現金売上」に限られます。
飲食店ですから、オーダー伝票やレジのジャーナルなどの売上の記録は必ずあるはずです。よって、このような売上は「売上に関する帳簿の記載事項の省略承認申請」が必要な売上には該当しないものと考えられます。
1日分の売り上げを合計して計上することが、青色申告の要件に反しているのではないかと懸念しておられるのかと思われますが、1日の売り上げを集計する基となったオーダー伝票やレジジャーナルを補助書類として保存しているのであれば、1日分を合計で売上計上しても問題はないと思われます。
詳細かつ明確なご返答、どうもありがとうございます。
本投稿は、2022年08月03日 13時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。