死後事務委任契約の前払委任料に対する税務処理
海外在住が長かったのですが、妻が亡くなったため本帰国しました。
亡き妻は外国人で現地の墓地に埋葬されています。
親、兄弟、子供はいないため、私の死亡後には友人に葬儀・火葬を
委任し、遺骨は妻と同じ墓地に埋葬してもらって一緒に眠りたいと
思っています。
友人との間で死後事務委任契約を締結し、役所等への事務処理、葬儀・火葬の
手配、埋葬のための海外への渡航・滞在費用、現地墓地への埋葬費用および
これらに対する手数料と謝礼などを含めた委任料を契約書に明記し、契約時に
友人に前払金として支払っておきたいと思っています。
委任料の内、実費・経費は現時点で確定することはできないので、余裕をもって
500万円〜1,000万円程度を考えています。余った分はすべて手数料・謝礼分と
して受け取ってもらいたいと思います。この場合、契約時に友人の口座に多額の
振込が発生しますが、銀行や税務署から何らかの説明を求められたり、または
何らかの税務処理が必要になるのでしょうか?
それとも、私が死亡して上記の死後事務処理が終わった時点で経費が確定し、
友人への手数料・謝礼が決まるので、その時に所得または贈与(どちらでしょう?)
としての税務処理を行うことになるのでしょうか?
友人にはなるべく税務処理に手間をかけさせるのを避けたく、もし課税されるので
あればその分を考慮して委任料に上乗せすることも考えておこうと思います。
これらについてアドバイスをお願いします。
税理士の回答

三嶋政美
ご質問ありがとうございます。
死後事務委任契約における税務処理について
ご友人に死後事務を委任し、前払金として500万円〜1,000万円を支払う場合、その資金の取り扱いについては、税務上の整理が必要です。
まず、契約時に友人の口座へ多額の振込が発生するため、銀行や税務署から資金の性質について確認を求められる可能性があります。契約書に「死後事務委任契約の委任料として支払う」と明記し、支払いの目的を明確にすることが重要です。
税務上、委任料のうち実費・経費に相当する部分は非課税と考えられますが、最終的に余剰となった部分を「謝礼」とする場合、その金額は友人の所得とみなされ、雑所得または事業所得として課税対象になる可能性があります。
贈与税の観点では、契約に基づく業務対価として適正に支払われたものであれば、贈与ではなく報酬所得として扱われる可能性が高いですが、契約内容や支払方法によっては異なる解釈もあり得ます。
友人の税務負担を軽減する方法として、契約内容を明確化し、支払額と経費の取り扱いを整理しておくことが有効です。また、第三者(信託会社や弁護士など)を介した預託契約を検討することで、資金の透明性を確保し、税務リスクを抑えることも可能です。
確実な対策を講じるため、事前に税理士や法律専門家に相談し、適正な契約を整えることをお勧めします。
本投稿は、2025年01月24日 23時34分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。