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有限会社の清算に係る税金等について(役員借入金、保険金などの整理)

義実家が東京都で小さな食堂を営んでいるのですが、
この度地上げの話があり、お店を畳む方向で検討しています。
以下、会社の状態を箇条書きで記します。

・有限会社で、社員は義父と義母のみ
・決算期は1月~12月
・R2年12月決算時の売上は1000万超、最終利益10万円程
・主な資産は現預金約100万円、保険積立約600万円
・銀行等からの借入はないが、役員(義父)借入金が約2,500万円あり
・R2年12月決算時の繰越利益剰余金は約△1,900万円

この会社を清算した場合、保険入金による雑収入や役員借入金の免除益により、法人税の納税額が多額にならないかを危惧しています。
他の方の質問の回答で「期限切れの繰越欠損金を使用すれば大きく課税されることはないのでは」といったアドバイスも拝見しましたが、本件の場合もそのように考えて大丈夫なものでしょうか。

出来れば保険解約金の入金で、役員借入金をできるだけ清算した後、繰越欠損金を使用して法人としては課税されないようにしたいと思っています。
それとも、義父にとって貸付金の返済による入金が個人の所得となって課税されるのであれば、役員借入金は全く清算しないままの方が良いのでしょうか。

ご教示いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

税理士の回答

有限会社は、魅力があります。今は、設立できません。
精算より、売却すると、ある意味良い値が付くことがあります。
売り手を見つけてください。

会社を清算する場合、
貴殿の仰るとおり過去の繰越欠損金を全額利用できます。

残余財産をすべて役員借入金の返済に充て、
最終的に債務免除を受けた清算年度の損益から繰越欠損金を控除した残額に対し、
法人税等が課税されることになります。

なお、貸付金の返済入金に課税されることはありません。

他の方の質問の回答で「期限切れの繰越欠損金を使用すれば大きく課税されることはないのでは」といったアドバイスも拝見しましたが、本件の場合もそのように考えて大丈夫なものでしょうか。

→会社清算時は期限切れ欠損金を使用することができます。
ただ、ご記載の情報だけでは期限切れ欠損金がいくらあるのかわかりませんので、清算事業年度の所得(少なくとも保険解約金-保険積立金約600万円と役員借入金のうち返済されない金額の債務免除益から申告書別表7-1に記載された欠損金を控除した金額)をカバーできるのかわかりません。
なお、ご記載の繰越利益剰余金は税務上の繰越欠損金とイコールではありません。

出来れば保険解約金の入金で、役員借入金をできるだけ清算した後、繰越欠損金を使用して法人としては課税されないようにしたいと思っています。

→会社の清算(残余財産確定)には、全ての財産を現金に換えてこれを先ずは第三者の債務に充て、残ったお金を役員借入金の返済に充てます。
返済しきれなかった金額を債務免除して、資産0、負債0、純資産0とする必要があります。

それとも、義父にとって貸付金の返済による入金が個人の所得となって課税されるのであれば、役員借入金は全く清算しないままの方が良いのでしょうか。

→貸付金(会社から見て借入金)の回収は所得になりません。
実際に商売をやめるのであれば清算した方が良いでしょう。
放置しておくと登記懈怠で過料が課せられます。(こちらは司法書士の専門となります。)

具体的に計算しないと清算事業年度の所得が生じるのか否かもわかりませんし、会社の解散・清算は専門家に依頼しなければ難しいと思います。

資本金のことが書かれていないので、分かりませんが会社の会計上(帳簿上)は、債務超過であると推定します。
ただ、清算したときに、役員借入金を含めて、債務が資産を上回る状態でしょうか?
開始や経理上、保険積立金が600万円とのことですが、実際に保険を解約したときの価値(解約返戻金)は、どのくらいでしょうか?
以前の節税型保険であれば、資産計上額と解約返戻金が大幅に異なる場合があります。

結論からいえば、保険の解約金が入金しても、債務全額を支払えない状態であれば、「期限切れの繰越欠損金」の活用により法人税や法人住民税の法人税割は発生しません。債務全額を支払える場合は、上回る金額について、法人税や法人住民税の法人税割は発生します。
法人住民税の均等割はどちらも発生します。

なお、役員借入金の精算をしなければ、法人の清算はできません。
返済原資がない場合は、取るべき方法は二つあります。
一つはその役員が債務免除すること、もう一つは破産処理をすることです。
税負担や費用の額に違いがありますから、具体的に個別にご相談されることをオススメします。少なくとも、このような公開の場のご相談では限界があります。



早々にこんなにたくさんご回答いただけると思っておらず、驚いております。
皆様ありがとうございます。
当方経理事務職をしておりますが、税務には疎く、大変勉強になります。
ご回答を拝見し、ご質問のあった項目や追加で確認したいと思ったことを追記させていただきます。

<繰越欠損金>
繰越利益剰余金は△1,900万円ですが、H25年度からは黒字経営だったようで、別表7-1の欠損金翌期繰越額はR2年度決算で0円となっておりました。(これは期限切れの繰越欠損金も0円という認識になるのでしょうか…)

<保険>
嫁の立場からは少し聞きづらい項目ゆえ、解約返戻金の正確な額は確認できずにおります。おそらく全額積立ではなく損金処理をしている部分もあるとは思うのですが…。返戻金-積立金=収入になるということですよね。

<BS>
【純資産】資本金3百万、繰利△1,900万 計△1,600万
【負債】役員借入金2,500万 未払(費用・税金)2百万 計2,600万
【資産】現預金100万 前払費用200万 有形固定資産 100万 保険積立600万 計1,000万
アバウトですが以上のとおりです。
役員借入金の返済や、固定資産の除却などをしてこれらをすべて0円にしないといけないということなのですね…。

<義父の個人所得税>
貸付金の返済は所得にならないのですね!本当に無知で恥ずかしい限りです。
それでは返済能力がある限りは返済した方が良さそうですね。

<会社の売却>
これは、全く考えもしませんでした。
保険を解約せず、役員借入金もそのままで譲渡するようなケースもあるのでしょうか。
譲渡した後に、義父としては借入金の返済を受けられるものなのでしょうか。
専門的になりご回答は難しいかと思いますが、一つの案として検討してみたいと思います!

いろいろとご質問を重ねてしまい恐れ入ります。
既存のご回答だけでも十分ではありますが、もし追加の情報で
清算や会社売却にあたり懸念事項等があればお教えいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

連続の追記 失礼いたします。
調べていて、別表7-1は青色欠損金で期限切れのものではないのですね。
別表5-1の差引合計額は、決算書の繰越利益剰余金と同様に△1,900万円程度です。

<繰越欠損金>
ご記載の別表7(1)には期限切れ欠損金は含まれていません。
仮に、当期を清算事業年度とするのであれば、ご記載のケースでは令和2年度の別表5(1)の翌期首現在利益積立金額④の彩色合計額31が、当期首の期限切れ欠損金の金額になります。

<保険>
ご記載のようなお考えでよろしいかと思います。

<BS›
純資産を資本金3百万円、繰越利益剰余金△3百万円の0(必然的に資産も負債も0になります)にならないと、清算結了登記を受け付けてもらえません。

〈義父の個人所得税〉
先にも回答した通り、返済しきれなかった金額は債務免除しないと清算ができません。

<会社の売却>
当初ご質問の記載内容から、おそらくM&Aで手を挙げる先はないでしょう。
飲食店を買収するというのは、店舗が立地していることが大前提ですが、そのお店がなくなるのですから。

<その他>
お店の土地建物は法人所有ですか?仮にそうであれば、有形固定資産の帳簿価額に対して多額の譲渡益が生じる可能性があります。

いずれにしましても、ネット上の無料の相談コーナーでこれ以上具体的な回答は不可能です。
多少の費用を払ってでも、税理士等の専門家に直接相談された方が良いです。

彩色合計額31は差引合計額31の打ち間違いです。
失礼しました。

前田税理士事務所 前田様

早々に2回目のご回答をありがとうございます。

売却は難しそうとのことで、ご助言をありがとうございます。
引渡し予定まであまり余裕がないので、会社清算の方向で検討したいと思います。

繰越欠損金の件は、青色欠損金と勘違いして一瞬ヒヤっとしましたが
別表5-1利益積立金額明細の④の金額とのことで、安心いたしました。

2回目の質問の後に、「資本金はどう処理するんだろう…」と悩んでいたのですが
繰利と相殺する形で、最終的にBS残高がすべて0円となるのですね!
まさに、かゆいところに手が届くご回答をいただき感謝申し上げます。

有形固定資産は「建物付属設備」と「器具備品」で、会社として義父に
賃貸料を支払っている形なので、個人所有と判断しております。
地上げの契約にも関わることですので、きちんと確認するようにいたします!

ご回答くださった皆様
皆様のご回答を拝見し、そこまで多額の納税義務が生じることはなさそうなのかなと少しほっといたしました。
清算業務に関しては、ご助言通り専門家に相談・依頼しようと思います!

ベストアンサーは全員をお選びしたいところですが、一番に2回目のご回答をくださった方にさせていただきたいと思います。
この度は誠にありがとうございました。

土地建物がお義父様の個人所有であれば、お義父様に譲渡所得税がかかると思いますので心積もりされた方が良いです。
尤も、譲渡益に対しての課税なので売却金額の全部が持っていかれる訳ではありませんから、担税力はあると思います。

前田様
義父個人の譲渡所得に関して、ご心配いただきありがとうございます!
土地はバブル期に、義祖父が今回同様地上げによって取得して義父に相続しており、
取得金額は今回の譲渡金額より高い金額であることを確認しております。

ですので、譲渡所得税は生じないと考えているのですが…
その点もちゃんと相談事項に加えておきます。
ありがとうございます。

本投稿は、2021年08月05日 08時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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