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消費税の免税事業者が誤って過去に消費税込みで請求していた場合の処理

「消費税の免税事業者が誤って過去に消費税込みで請求していた場合の処理」についてお尋ねします。

当方、2021年より開業届を提出している個人事業主です。

年間の売上は給与所得(アルバイト)を含めても500万円ほどですので、インボイス制度後も消費税の免税事業者として活動しておりますが、開業当時より顧客への請求書に「消費税(外税)」で請求をしていることに気付きました。

本来ならば”消費税の免税事業者は、請求に消費税を含めてはいけない”と思いますが、この考え方で間違いないでしょうか?

また、対象の取引を精査したところ15万円ほど請求/受領しており、この分の消費税額を顧客へ現金(銀行振込)で返金しようと思うのですが、この際に仕訳処理や顧客対応などで注意すべき点はございますでしょうか?

税理士の回答

”消費税の免税事業者は、請求に消費税を含めてはいけない”と思いますが、この考え方で間違いないでしょうか?
 ⇒ 免税事業者であっても消費税額相当分の請求は「便乗値上げ」には当たらないとして、仮に「相当分」として記載しなくとも請求し入金することに特に問題はありません。
   この考え方は、消費税導入時から議論されていたことですが、免税事業者であっても仕入れや経費には消費税がかかっており、その分の納税をしてるため、消費税率相当額であれば税込み(内税)であっても税抜き(外税)であっても問題・・・便乗値上げではない・・・と整理したことによりますので、特に取引先へ返金する義務はないと考えます。

   なお、インボイス制度が始まり「課税仕入」を行った者が、インボイス発行事業者以外からの課税仕入れに関しては、消費税額を控除(仕入税額控除)することができなくなりました
   そこで、インボイスの発行がない=消費税を納めていない=消費税を別途請求することに違和感を感じる・・方がいることも確かです。

   インボイス制度が開始されるまでは、免税事業者からの課税仕入れも全額仕入税額控除ができていましたので、取引上はあまり問題にはなってこなかったようです。
   しかし、制度が開始され「インボイス発行事業者の登録をしていない事業者」の方は取引先との関係で、トラブル防止の観点から消費税込みの金額にて請求するなど対策が必要になってきています。

   なお、課税仕入れによる税額控除は、インボイス制度が開始してすぐに控除額が0になるわけではなく、経過措置で消費税額の80%⇒50%⇒0%と段階的に控除できる金額が少なくなってきています。

   蛇足ですが、課税事業者であってもインボイス発行事業者として登録がない場合は、取引先は課税仕入税額控除はできなくなります(経過措置あり)


   

ご丁寧なご回答をありがとうございました。

「特に取引先へ返金する義務はないと考えます。」とのことですが、顧客との今後の関係性を考えると請求/受領した15万円を返金して、今後は「消費税なし」で請求する形に変える方が良いかと思いますが、いかがでしょうか?

※法的には返金する義務は無いということは理解できましたが、顧客との今後のお付き合いもあるので、返金対応しておいた方が良いのではないかと思いますが、このようなケースの場合、一般的にはどのように対応されるのでしょうか?(ケースバイケースだと思いますが・・・)

また、一部の顧客(取引先)からは「今後は内税で請求書を発行してください」との依頼も受けています。

私が免税事業者だと言うことは、インボイスを発行していないのでご理解いただいていると思いますが、こういった顧客については、「今までの外税で請求していた分はそのまま返却せず、今後は内税での請求に切り替える」という形でも問題ないでしょうか?

度々の質問で大変申し訳ございませんが、ご教授いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

>顧客との今後の関係性を考えると請求/受領した15万円を返金して、今後は「消費税なし」で請求する形に変える方が良いかと思いますが、いかがでしょうか?
⇒ これについては、税理士からコメントできるお話ではありません。
  インボイス開始までは、取引先は消費税額は全額課税仕入れできていた
ことになりますし、インボイス開始後はその消費税額の80%は控除できていたことになります。
  取引先とよく話し合って金額などを決めてはいかがでしょうか。

  なお、公正取引委員会では取引先がインボイス発行事業者でないとして消費税額分の値下げを要求することは、下請法違反になるとの見解を示しています。
  正直ケースバイケースですが、請求時に消費税額を別途記載して請求するのではなく「税込み」の価額に今後はされてはいかがでしょうか。
  
>こういった顧客については、「今までの外税で請求していた分はそのまま返却せず、今後は内税での請求に切り替える」という形でも問題ないでしょうか?  
 ⇒ 取引先によってどのように対処するのかが良いか、税理士ではコメントしずらいところです。
   取引先同士繋がりがあり、片方が返金され、自分の方は返金されていないということが判明する可能性がないのであれば、私見としては返金義務はないのですから返金は必要ないと思います。

   「今後は内税の請求に切り替える」ことは大丈夫であると考えます。

ご丁寧なご回答、誠にありがとうございました。
頂戴した内容を参考に、今後の対応方法を決めていきたいと思います。
お忙しいところ、ご対応いただき本当にありがとうございました。

ベストアンサーをありがとうございます。
消費税は悩ましいところですね。
免税事業者の方は
① インボイス登録することにより課税事業者になりますが、堂々と消費税を請求することを選ぶ方
② 免税事業者のまま取引価格の消費税額分の値上げをしたうえで消費税額は請求しない(内税)ことを選ぶ方
③ 取引先が消費者のため、特にインボイスが必要ないとして消費税も込み価格とする方
等の選択をしなければならない気苦労があるかと思います。

なお、仮に「①」を選んだ場合であっても、預かった消費税額をそのまま納税するのではなく、仕入や経費の消費税額(仕入税額)を控除した後を納めることと、簡易課税を選択することにより、節税にもなる可能性があります。

大変でしょうが、ご検討ください。

本投稿は、2025年09月09日 15時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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