会社をたたむときの買掛金の扱い
例えば知人の会社から掛けで商品やサービスを購入したとして、その支払いサイト期間中に会社を整理したとします。その時、知人同士ということもあり返せるときに返してくれたらいいよと言う風になったとします。
その時に、買掛金で仕入れは計上しているため消費税の還付の対象になると思いますが、そのまま還付を受けてもいいのでしょうか?
また、会社をたたんでから税務署などから返還請求や調査が入るなどあり得るのでしょうか?
税理士の回答

岡本好生
実際に仕入が行われたのであれば、仕入税額控除可能ですし、還付を受けられることもあり得ます。
消費税計算と債務の支払がどうなったかは別の問題です。
会社をたたんでからの税務調査は通常ありませんが、解散時、清算時の申告に異常性を感じ、不正還付だと判断したような場合には、調査の可能性はあります。
いずれにしても、ちゃんとした仕入でしたら、税務調査があっても問題はありません。

①消費税について
実際に仕入れたのであれば、消費税を計算する際にマイナスすることができます。売上とのバランスで還付となることもあり、その場合は堂々と還付を受けてください。
②会社清算について
買掛金などの債務(借金)が残っている状態では会社を清算することはできません。在庫を売り払い、固定資産など処分できるものはすべて売り払い、もちろん消費税の還付額も返済にあてます。それでも返しきれないときは、債務を免除してもらいます。
※知人同士ということもあり返せるときに返してくれたらいいよと言う風になったとしたとします。
→例えば、会社の債務を社長に肩代わりしてもらい、社長から仕入先に支払うなどの工夫をしてください(三者合意の上で)。これにより、会社は仕入先でなく社長に債務を負うことになり、会社は社長に債務を免除してもらいます。
※このとき注意するのは債務免除益という収益が発生するため、会社の状況によっては法人税等の納税が出てしまうかも!という点です。
③税務調査について
清算した会社に税務調査が入ることはなくはありません。調査により追徴課税が生じたとして、誰が納税するのか?というと、清算によって残余財産をもらった人と清算人(社長が清算人となることが多い)です。

仕入であれば、仕入税額控除の対象となります。
会社整理により、仕入れた商品が在庫であれば、消費税の還付となりますが、その後に在庫を販売すると消費税の納税となります。
会社の財産がすべて処分できた後に、清算完了となるので、還付だけを受けるということは不可能です。
本投稿は、2018年08月07日 08時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。