外国人が起業や投資用の資金を母国から日本に調達する際の税金について
日本に在住し、企業に勤めている中国出身の者です。
母国地元に婚約者がいますが、日本を将来の家庭の拠点と決め、日本への移住準備をしている段階です。
将来は二人で日本で起業や投資を行う計画をしており、そのための資金を母国で用意しています。
上記背景の元に、銀行振込(現金携帯も併用)の形で資金を日本に調達する際に外為手数料の発生が当然だと思いますが、それ以外のコストとして何かの税金が発生するかが気になっています。
例えば日本国内において、場合によって相続税や贈与税などがかかるケースがあるかと思いますが、こちらの用意する資金(一部)は母国において親からの贈与を受けてから日本に調達する場合、日本における贈与税が発生しない認識は正しいでしょうか?
また、婚約者がまだ母国にいるために銀行振込の続きを手伝ってもらえますが、婚約者名義の母国の口座から、当方名義の日本の口座に振込を行う際、贈与を受ける扱いで贈与税が発生することにならないでしょうか?
(まだ結婚していないため、他人からの贈与になってしまうかが気になります)
余計なコストを避けるために、贈与税に限らず、上記資金調達のケースにおいて何か税金が発生する可能性がある場合はぜひ節税に関する知見を教えていただきたく思います。
また、調達後の運用(例えば飲食店起業や不動産投資)の際には不当な資金とされないでしょうか?(つまり自由に使用できるでしょうか?)
見当違いなことも書いてあるかもしれませんが、上記の疑問について教えていただけると有り難いです。
※補足:関係するかどうかが分かりませんが、当方の在留資格は高度人材です(婚約者は将来、高度人材の配偶者として日本で在留および活動ができる予定です)
税理士の回答

岡本好生
日本の贈与税は、受贈者、贈与者の国籍、住所、居住期間、財産のある場所になどよって、課税非課税が変わってきます。
下記タックスアンサーにある表と説明をご覧いただくといいと思います。
ご質問者が「一時居住者」かどうかで、大きく取り扱いが変わってきます。
「一時居住者」とは、贈与の時において在留資格(出入国管理及び難民認定法別表第1の上欄の在留資格をいいます。)を有する人で、その贈与前15年以内に日本国内に住所を有していた期間の合計が10年以下である人をいいます。
高度人材は「出入国管理及び難民認定法別表第1の上欄の在留資格」に該当しますので、日本国内に住所を有していた期間が10年を超えるか超えないかで大きく取り扱いが変わってしまうということです。
10年を超えていなければ、日本国内に住所を持っていなかった人からの贈与税は国内財産についてのみ課税し国外財産には課税されません。
逆に日本国内に10年以上住所がある一時居住者に該当しなくなった場合には、国内、国外を問わずすべての財産が課税対象になります。中国国内で贈与をしたとしても課税対象です。
婚約者の通帳を経由した場合ですが、税法では形式よりも実質により判断します。婚約者の通帳を経由したことが形式上の話であって、実質的な贈与者は別であることを証拠立てて説明できれば、特段の問題はありません。ただ、避けることができるのでしたら避けた方がいいと思います。
上述のとおり、10年を超えていなければ、贈与ということで問題なく資金になります。日本で事業をなさるおつもりであれば、いつ贈与を受けたものかが重要になりますので、贈与契約書などはしっかり残しておいた方がいいですね。
10年を超える場合には税率が高額ですので、贈与の方法はあきらめて、借入か出資の方がいいと思います。
No.4432 受贈者が外国に居住しているとき(国税庁タックスアンサー)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4432.htm
本投稿は、2018年09月27日 23時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。