銀行よりホールディングス化を提案受けている。ホールディングス化のデメリットを教えて頂きたい。
自社株10億円。妻、子2人。後継者は長男。銀行よりホールディングス化を提案受けているが、それには融資がセットになっている。金利が上昇している中でホールディングス化するメリットはあるのか?また2028年1月には自社株改正が予定されている。取引相場のない株式の評価方法が変われば、銀行のホールディングス化スキームにはどんなデメリットがあるのか?銀行は融資をしたインセンティブあり、あまりデメリットを説明しません。
税理士の回答
【結論】提案スキームの詳細(借入条件・返済計画・株式取得の構成)が分からないため断定はできませんが、融資セットの持株会社化は一般に「返済を事業会社の収益力に全面的に依存する」設計です。メリットはありますが、金利上昇局面では特に慎重な検証が必要です。
【メリット】先代が10億円を現金化でき、相続税の納税資金や妻・次男への分配原資を確保できること。後継者への早期承継で将来の争族・議決権分散を防げること。評価額を現時点で確定し、将来の評価上昇リスクを回避できることです。
【デメリット① 返済負担】返済原資は事業会社からの配当が中心で、業績不振期は分配可能額の制約で返済が止まります。元金返済は損金不算入のため、10億円を10年で返す場合、年1億円超の返済に対し、税引前でおおむね1.5億円前後の利益を毎期継続する計算になります。変動金利なら金利上昇で負担はさらに増え、配当の吸い上げで設備投資や資金繰りの余力も削られます。返済が滞れば担保処分・保証実行により支配権自体を失い得ます。
【デメリット② 税務】先代には譲渡所得課税(20.315%、概ね2億円規模、取得費による)が即時発生します。持株会社への移転後は、事業承継税制の特例等他の承継手法の選択肢が狭まります。持株会社が株式保有特定会社に該当すると、その株式評価は純資産価額方式となり、類似業種比準が使えず不利になる場合があります(評価は保有割合・資産構成で変わります)。将来の売却・清算時には個人への分配段階で再び課税される二重課税の問題もあります。
【デメリット③ 評価改正】取引相場のない株式の評価見直しは、現時点で公式に確認できるのは令和9年度税制改正要望の段階であり、2028年1月の改正実施は確定していません。仮に評価が上がる改正なら買取価額・借入額が増え返済負担が重くなり、下がる改正なら現在の価額で買い取る前提が揺らぎます。改正内容が未定の段階で「改正前の駆け込み」を急ぐ根拠にはなりません。
【デメリット④ 構造】設立・維持コストが2社分かかり、株式を持株会社に集約すると次男への一部承継や第三者への譲渡など後の再配分が難しくなります。銀行には利息収入・担保・取引囲い込みのインセンティブがあるためデメリット説明は不足しがちです。
【留保】各デメリットの大きさは、スキームの具体設計(借入額、金利の種類、返済期間、担保・保証の有無、株式取得価額の算定根拠)によって大きく変わります。現時点の情報では断定できないため、銀行に提案書面と返済シミュレーションの開示を求めた上で、税理士等のセカンドオピニオンによる検証をお勧めします。
本投稿は、2026年09月28日 14時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







